アイシングラス (競走馬)

アイシングラス：イギリス競馬史に輝く無敗の三冠馬

アイシングラスは、1890年代にイギリスで活躍した競走馬であり、種牡馬として後世にも大きな影響を与えた名馬です。彼の名は、チョウザメの浮き袋から作られるゼリー状物質であるアイシングラスに由来しています。

輝かしい競走成績：

アイシングラスは、圧倒的な強さで競走を制覇したというよりは、着差はそれほど大きくないながらも、着実に勝利を重ねていきました。それでも、2歳時にはミドルパークプレートを制し、3歳時にはクラシック三冠競走である2000ギニーステークス、ダービーステークス、セントレジャーステークスを全て制覇するという偉業を達成しました。さらに、4歳時にはエクリプスステークスとジョッキークラブステークス、5歳時にはアスコットゴールドカップと、当時最も重要なレースを次々と勝利しました。彼のキャリアにおける唯一の敗戦は、ランカシャープレートでの2着でした。この驚異的な活躍により、当時の競走馬としては破格の57,455ポンドという賞金を獲得し、この記録は1952年まで破られませんでした。

レーススタイルと素質：

アイシングラスは、レースでは常に全力を出し切る必要がある「ズブい馬」でした。そのため、調教も通常よりも多くの時間が必要とされ、馬場が使えない際には坂路調教で対応したというエピソードも残っています。体高16.1ハンド(約164cm)の大型馬であり、その大きな体格とパワーが彼の競走成績を支えていました。

種牡馬としての成功：

現役引退後は種牡馬として活躍しました。最初はマッカルモント、その後はヴォルデンで繋養され、1900年と1905年にはイギリス種牡馬ランキングで2位にランクインするなど、種牡馬としても成功を収めました。種牡馬チャンピオンにはならなかったものの、牝馬二冠を達成したチェリーラス、牝馬三冠馬ラフレッシュとの間に生まれた後継種牡馬ジョンオガウントなど、多くの優秀な産駒を残しました。その中には、アメリカの種牡馬チャンピオンとなったスターシュートも含まれています。

アイシングラスの死とその後：

アイシングラスは1911年12月5日、チェヴァリーパークスタッドにて21歳でその生涯を終えました。現在では、彼の遺骨がロンドン自然史博物館に展示されており、多くの競馬ファンから敬愛されています。

まとめ：

アイシングラスは、卓越した競走能力と優れた血統により、イギリス競馬の歴史に名を残す偉大な競走馬であり、種牡馬でした。彼の無敗の三冠達成という偉業、そして数々の主要レースでの勝利は、今もなお語り継がれる伝説となっています。彼の遺骨が博物館に展示されているという事実は、彼の偉大さを後世に伝える重要な証となっています。彼の血統は、現代の競馬にも大きな影響を与え続けていると言えるでしょう。

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