アカメ科

アカメ科（Latidae）

アカメ科は、スズキ目の下位分類群の一つで、スズキに似た大型肉食魚のグループです。アフリカとインド太平洋の熱帯・亜熱帯域に分布し、3つの属で構成されています。かつてはセントロポマス科のアカメ亜科として分類されていましたが、独立した科として扱われるようになりました。

特徴

アカメ科の魚類は、一般的に大型で、バラマンディやナイルパーチは全長2mに達することもあります。これらの魚は、以下のような特徴を持ちます。

大きな口：下顎が上顎よりも前に出ています。
三角形の第一背鰭：3本目の棘条が1・2本目よりも長くなっています。
高い体高：体全体が縦に長く見えます。
円い尾鰭：尾びれの先端が丸みを帯びています。

分布域は、アフリカの淡水域とインド太平洋の沿岸域に分かれます。アフリカ産の種類は、大地溝帯の限られた湖に固有のものが多く、種分化が進んでいます。一方、インド太平洋産の種類は、沿岸域や河口に生息し、海水と淡水を行き来する生態を持ちます。肉食性で、小魚や甲殻類などの小動物を捕食します。

人間との関わり

アカメ科の魚類は、食用や釣りの対象として利用されています。特に、バラマンディとナイルパーチは、その地域では重要な食用魚として扱われています。養殖も盛んに行われており、世界各地で食用として流通しています。

構成種

アカメ科には、以下の3つの属が含まれます。

Hypopterus 属
Hypopterus macropterus：西オーストラリアに分布
アカメ属（Lates）
バラマンディ L. calcarifer：東インド洋・西太平洋の熱帯域に分布
アカメ L. japonicus：西日本太平洋岸の固有種。環境省レッドリストで絶滅危惧IB類に指定
ナイルパーチ L. niloticus：アフリカ熱帯域に分布。各地に移入されている
その他8種
アカメモドキ属（Psammoperca）
アカメモドキ Psammoperca waigiensis：東インド洋・西太平洋の熱帯域に分布
Psammoperca datnioides：オーストラリアに分布

参考文献

* Latidae - Froese, R. and D. Pauly. Editors. 2008. FishBase. World Wide Web electronic publication. www.fishbase.org, version (09/2008).

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