アジアハイウェイ8号線

アジアハイウェイ8号線：ヨーロッパとアジアを結ぶ大動脈

アジアハイウェイ8号線は、ロシアのトルフィノブカを起点とし、イランのバンダレ・エマーム・ホメイニーを終点とする、総延長4,435kmに及ぶ国際的な幹線道路です。この路線は、ヨーロッパとアジアを繋ぎ、多くの主要都市を経由する重要な役割を担っています。

概要

8号線の起点は、ロシア連邦レニングラード州のトルフィノブカに位置し、フィンランドとの国境に接しています。そこから、ヴィボルグを経由してサンクトペテルブルクへと向かい、その後、ノヴゴロド、モスクワといったロシアの主要都市を通過します。ボルゴグラードからは、雄大なヴォルガ川の南岸に沿って進み、カザフスタン国境近くのアストラハンへと至ります。

アストラハンからは、カスピ海沿いを南下し、カルムイク共和国やダゲスタン共和国といった地域を通過してアゼルバイジャンへと入ります。アゼルバイジャンの首都バクーを経由し、さらに南下してイランに入国します。イラン国内では、ラシュトでカスピ海を離れ、ガズヴィーンでアジアハイウェイ1号線と合流し、テヘランへと向かいます。テヘランの西郊を通過した後、再び南下し、最終的にはイラク国境に近いフーゼスターン州の港町、バンダレ・エマーム・ホメイニーに到達します。

アジアハイウェイ8号線の特徴として、イラン国内の一部区間を除き、他のアジアハイウェイや欧州自動車道路との重複区間が多いことが挙げられます。これは、国際的な道路ネットワークにおいて、8号線が重要な役割を担っていることを示しています。

経路

以下に、アジアハイウェイ8号線の主要な経路を国別に示します。

ロシア連邦

ロシア連邦道路M10（欧州自動車道路E18号線と重複）：トルフィノブカ（フィンランド・ロシア国境） - ヴィボルグ - サンクトペテルブルク
ロシア連邦道路M10（欧州自動車道路E105号線と重複）：サンクトペテルブルク - ノヴゴロド - トヴェリ - モスクワ
ロシア連邦道路M4（欧州自動車道路E119号線と重複）：モスクワ - カシーラ
ロシア連邦道路M6（欧州自動車道路E119号線と重複）：カシーラ - タンボフ - ボリソグレフスク - ヴォルゴグラード
ロシア連邦道路M6（欧州自動車道路E40号線、E119号線と重複）：ヴォルゴグラード - ツァガン・アマン - アストラハン
ロシア連邦道路R215（欧州自動車道路E119号線と重複）：アストラハン - ラガンスキー地区 - キズリャール - マハチカラ
ロシア連邦道路R217（欧州自動車道路E119号線と重複）：マハチカラ - デルベント - マガラムケント

アゼルバイジャン

M1幹線道路（欧州自動車道路E119号線と重複）：サムール - クバ - シアザン - スムガイト - バクー
M2幹線道路（アジアハイウェイ5号線、欧州自動車道路E60号線、E119号線と重複）：バクー - アリャート
M3幹線道路（欧州自動車道路E119号線と重複）：アリャート - サルヤン - ランカラン - アスタラ

イラン

国道49号線：アスタラ - ラシュト - エマームザーデ・ハシェム
高速道路1号線：エマームザーデ・ハシェム - ガズヴィーン
高速道路2号線（アジアハイウェイ1号線と重複）：ガズヴィーン - テヘラン
テヘラン環状道路：テヘラン市内
高速道路5号線（アジアハイウェイ2号線と重複）：テヘラン - サーヴェ - サラフチェガン
国道56号線：サラフチェガン - アラーク - ボルージェルド
国道37号線：ボルージェルド - ホッラマーバード
高速道路5号線：ホッラマーバード - アンディーメシュク
国道37号線：アンディーメシュク - アフヴァーズ
高速道路5号線：アフヴァーズ - バンダレ・エマーム・ホメイニー

アジアハイウェイ8号線は、多様な風景と文化を体験できるルートであり、国際的な物流と人々の交流を支える重要な役割を果たしています。

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