アジュ

アジュ（阿朮）

アジュ（Aju、阿朮）は、モンゴル帝国の将軍であり、スブタイの孫、ウリヤンカダイの子として生まれました。彼はモンケの治世から父と共に数々の戦いに参加し、その武勇を示しました。

生涯

アジュは、チンギス・カンの「四狗」の一人であるスブタイを祖父に持ち、父ウリヤンカダイもまた、モンゴル帝国の拡大に大きく貢献しました。アジュ自身も、モンケによる南宋遠征に従軍し、大理国征服や陳朝の降伏に貢献。モンケから黄金を授与されるなど、その功績は高く評価されました。

1259年にモンケが亡くなると、アジュは父と共にクビライを支持。1262年の李璮の乱では、討伐軍の一員として鎮圧に貢献しました。同年、兄弟の死後、アジュは征南都元帥に任じられ、南辺の軍を率いることとなります。

1268年から始まったクビライによる南宋攻略では、アジュは襄陽攻略の総司令官として、その手腕を発揮しました。敵将・呂文煥の抵抗に苦しみながらも、史天沢と共に投石機を用いるなどして樊城を攻略。1273年には呂文煥を降伏させることに成功しました。

1274年からの南宋攻略では、丞相バヤンが総司令官となり、アジュは平章政事としてバヤンを補佐。呂文煥と共に先鋒を務め、各地で戦功を挙げました。

『集史』によると、アジュはバヤンと共に南宋遠征に派遣され、30トゥメンのモンゴル軍と70トゥメンの漢軍を率いたとされています。

1276年、シリギの乱が起こると、アジュは他の将軍たちと共に鎮圧のためモンゴリア〜中央アジア方面へ派遣されました。その後、中央に戻ることなく、中央アジアで亡くなったと伝えられています。没年については諸説ありますが、1280年に54歳で亡くなったという説が有力です。

死後、クビライから河南王の地位を追贈されました。

スブタイ家

スブタイ
ウリヤンカダイ
ココチュ/ココテイ
アジュ
ブリルギテイ
トントン

参加した戦争・戦闘

モンゴル・南宋戦争
襄陽・樊城の戦い
* 崖山の戦い

アジュは、モンゴル帝国の拡大に大きく貢献した武将の一人として、その名を歴史に刻んでいます。

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