アズィーム・ウッシャーン

アズィーム・ウッシャーンの生涯

アズィーム・ウッシャーン（Azim ush-Shan）は、1664年12月15日にムガル帝国の第7代皇帝バハードゥル・シャー1世の三男として生まれました。しかし、兄となるべき子供が早逝したため、彼は次男として扱われることもありました。アズィームは後に第9代皇帝ファッルフシヤルの父となります。

幼少期と幽閉

アズィームは幼少期から特異な運命を辿ります。1687年2月21日から1695年5月9日まで、彼は叔父アウラングゼーブの命により父と共に監禁されていました。この幽閉が彼の人生にどのような影響を与えたのかは、その後の行動に反映されています。

ベンガル太守への任命

1697年、アウラングゼーブはアズィームをベンガル地方の太守に任命し、反乱を制圧する任務を与えました。彼の補佐として任命されたムルシド・クリー・ハーンと共に、アズィームは任地へと赴きました。それ以前、ザバルダスト・ハーンが反乱鎮圧に努めていましたが、彼はアズィームに侮辱され、失意のうちに退去を余儀なくされました。アズィームは反乱軍に対して大規模な軍を送ることで、翌年には鎮圧に成功します。

政治的動き

その後、アズィームは1702年にビハールおよびオリッサ地方の太守に任じられました。しかし、反乱の鎮圧後には叔父や父の死が引き起こすであろう皇位継承戦争に備えて、不正蓄財に走ります。彼の補佐役であったムルシド・クリー・ハーンはこの事態に苦慮し、アウラングゼーブの支持を得て1704年にベンガルの州都をダッカからムルシダーバードに移しました。この変更により、州の実権はアズィームからムルシド・クリー・ハーンに移行しました。

皇位継承戦争

1707年、アズィームは父バハードゥル・シャー1世から「アズィーム・ウッシャーン」という称号を授かります。1712年3月18日に父の死後、彼は他の兄弟たちとの間で皇位を巡る争いに巻き込まれます。アズィームはより多くの財源と大軍を有し、帝位継承者となる可能性が高いとされましたが、結局兄のジャハーンダール・シャーに敗北し、ラーヴィー川で命を落としました。

まとめ

アズィーム・ウッシャーンの短い生涯は、権力と反乱の狭間で揺れ動く波乱に満ちたものでした。彼の遺産は、ムガル帝国の混乱と皇位継承戦争の複雑さを象徴しています。彼の物語は、権力を求める者にとっての危険を忘れさせないものとなっています。

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