アゼルバイジャンの地理

アゼルバイジャンは、コーカサス地方の南東部に位置する国家であり、ヨーロッパと西アジアの境界にあります。東はカスピ海に面しており、その海岸線が自然な境界を形成しています。北には大コーカサス山脈がそびえ、ヨーロッパとアジアを隔てています。国土の中央部は広大な平野が広がります。総面積は約86,600平方キロメートルで、ポルトガルとほぼ同じ大きさです。旧ソビエト連邦の1%に満たない面積ですが、南コーカサス3国の中では最大の国土を誇ります。

本土の他に、アルメニアの領土によって隔てられた飛地であるナヒチェヴァン自治共和国があります。また、本土西部には係争地であるナゴルノ・カラバフ地域があり、その一部は事実上独立したアルメニア人国家であるアルツァフ共和国に占領されています。

アゼルバイジャン本土は、北をジョージアとロシア、南をイラン、南西と西をアルメニアと接しています。ナヒチェヴァン自治共和国は、南と西をイラン、北と東をアルメニア、北西のほんの一部をトルコと接しています。首都バクーは、カスピ海西岸のアブシェロン半島の南岸に位置し、カスピ海最大の港湾都市であり、コーカサス地域の石油産業の中心地です。

地形

アゼルバイジャンの地形は変化に富んでいます。低地から高地への変化が短距離で起こり、国土の約半分が山岳地帯です。南東部のカスピ海沿岸は亜熱帯気候で、なだらかな丘陵地帯には茶畑やオレンジ、レモンの果樹園が広がります。バクー近郊のコブスタン渓谷には、多数の泥火山や鉱泉が存在します。カスピ海沿岸は標高が低く、最低地点は海面下28メートルです。

アゼルバイジャンは、東のカスピ海沿岸と北のジョージア、南のイランと接する一部地域を除き、山々に囲まれています。北東部には大コーカサス山脈が、西部には小コーカサス山脈がそびえ、南東部のタリシュ山脈はイランとの国境の一部を形成しています。最高峰は、大コーカサス山脈のバザルデュジ山で、標高4466メートルです。

国内には8つの主要な河川がありますが、ほとんどが航行には適していません。クラ川（ムトクヴァリ川）とその支流であるアラス川が形成する沖積平野は、アゼルバイジャン中部のクラ・アラス平野を構成しています。クラ川がカスピ海に注ぐ河口には、大きな三角州が広がっています。国内最大の水域はミンゲチェヴィルダムによって作られたダム湖で、面積は605平方キロメートルです。このダム湖は、クラ・アラス平野への電力と灌漑用水を供給しています。現在、アゼルバイジャンの土地の約15%が農地として利用されています。

気候

アゼルバイジャンの気候は多様です。南東部は亜熱帯湿潤気候、中央部と東部は亜熱帯乾燥気候です。カスピ海沿岸は温暖ですが、山岳地帯は寒冷です。首都バクーの1月の平均気温は4度、7月の平均気温は25度です。

年間降水量は、レンキャラン県で1600～1800mmと最も多く、アブシェロン県では200～350mmと最も少なくなっています。1日の最大降水量は、1955年にビリエセルの観測所で観測された334mmです。

参考資料

関連項目:

アゼルバイジャンの水域
アゼルバイジャンの気候
アゼルバイジャンの環境

外部リンク:

この記事には、アメリカ合衆国連邦政府が作成したパブリックドメイン文書であるCIA World Factbookの内容が含まれています。

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