アディティア (補給艦)

INSアディティア（INS Aditya, A59）

INSアディティアは、インド海軍に所属する補給艦で、艦名は当初「ラジャバ・ガン・パラン」と予定されていました。しかし、その後、アディティアとして就役しました。この艦の建造には同型艦も計画されていましたが、実現には至りませんでした。

設計について

INSアディティアの設計はドイツのブレーマー・フルカン造船所によって行われました。この艦は、先行して建造された初代ディーパク級の改良型として位置付けられています。主な改良点は船体の延長であり、さらに操舵部である航海艦橋が船首側に移動され、艦内の修理設備も強化されました。また、乗員の快適性を考慮し、空調設備が整っています。

物資移送能力

INSアディティアは、カナダ製のヘップバーン型補給システムを備えており、液体貨物とドライカーゴの両方に対応する洋上補給ステーション（RAS）が片舷あたりに1か所ずつ設置されています。これにより、計4ヵ所での効率的な物資移送が可能です。甲板上には20トンの負荷に耐えるデッキクレーンを設けており、さまざまな貨物の取り扱いを支援しています。

標準搭載内容

この艦は、以下の量の物資を搭載できる能力を持っています。まず、貨油としてディーゼル油と航空燃料が合計で14,200キロリットル（約12,000トン）貯蔵可能です。また、清水は2,250キロリットルを搭載し、食料品や弾薬、予備部品などのドライ・カーゴは2,170立方メートル（約5,000トン）まで、さらに甲板上に貨物コンテナを6個積載するスペースも持っています。

防御と兵装

INSアディティアは、一定の防御力も有しています。主な固定兵装としてはCRN-91 30mm機銃を搭載しており、これはBMP-2歩兵戦闘車の砲塔部分を流用したものです。近接防空用には、イグラ携帯式防空ミサイルシステム（MANPADS）を24発積むことが可能であり、艦の防衛能力を強化しています。

艦歴

この艦は1987年7月にガーデンリーチ造船所で正式に発注されましたが、建造の進行が非常に緩慢でした。1999年には海上公試で主機関にトラブルを抱えたため、さらなる遅延が発生しました。その後、艦は2000年4月3日に就役し、インド海軍の一員として運航を開始しました。

このように、INSアディティアは様々な機能を持つ補給艦として、海軍の任務を支える重要な存在です。

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