アピサイ・イエレミア

アピサイ・イエレミア：ツバルの首相、そして気候変動の訴え

アピサイ・イエレミア（Apisai Ielemia、1955年8月19日 - 2018年11月19日）は、ツバルの政治家であり、2006年から2010年まで同国の第11代首相を務めました。ヴァイツプ島選出の国会議員として、彼はツバルの政治において重要な役割を果たしました。

政治経歴

2006年8月3日の総選挙でマアティア・トアファ政権が敗北した後、イエレミアは2006年8月14日に国会で次期首相に選任されました。彼は外務相も兼務し、政権は一貫して中華民国（台湾）との関係を重視しました。2007年12月には台湾を訪問し、二国間の問題について協議しました。

イエレミアの首相としての最も注目すべき功績の一つは、気候変動問題に対する彼の積極的な取り組みでした。2009年にデンマークのコペンハーゲンで開催された第15回気候変動枠組条約締約国会議（COP15）では、海面上昇によるツバルの窮状を訴え、国際的な注目を集めました。彼の訴えは、気候変動の影響を受けやすい小島嶼開発途上国の代弁者として、強い印象を与えました。

2010年の総選挙でも自身の選挙区で再選を果たしましたが、その後の政局の変動により、首相の座を退くこととなりました。

イエレミア内閣

2006年9月時点でのアピサイ・イエレミア内閣の閣僚名簿は以下の通りです。

副首相兼天然資源相 - タヴァウ・テイー議員（ニウタオ島選出）
国会報道官 - サー・カムタ・ラタシ議員（フナフティ島選出）
議事担当相 - ウィリー・テラヴィ議員（ナヌメア島選出）
金融・経済計画相 - ロトアラ・メティア議員（ヌクフェタウ島選出）
公共事業・水・エネルギー相 - カウセア・ナタノ議員（フナフティ島選出）
コミュニケーション・交通・観光相 - タウケリナ・フィニカソ議員（ヴァイツプ島選出）
教育・青少年・スポーツ相 - ファレサ・ピトイ議員（ナヌマンガ島選出）
厚生相 - イアコバ・イタレリ議員（ヌイ島選出）
* 議員総会（国会）議長 - サー・トム・シオネ議員（ニウタオ島選出）

首相退任後

2010年12月にマアティア・トアファ内閣の不信任決議案が可決された後、ウィリー・テラヴィが次期首相に選出されました。イエレミアはテラヴィ内閣で外務・環境・貿易・労働・観光相として入閣し、引き続き政治に関与しました。

アピサイ・イエレミアは2018年11月19日に63歳で亡くなりました。彼の死はツバル社会にとって大きな損失であり、彼の功績は長く記憶されることでしょう。

まとめ

アピサイ・イエレミアは、ツバルの首相として、また気候変動問題に対する積極的な提唱者として、国内外で重要な役割を果たしました。彼のリーダーシップと献身は、ツバルの発展と国際社会への貢献に大きく寄与しました。彼の生涯は、小国が直面する課題と、それに対する勇気ある行動の重要性を示しています。

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