アポロ (小惑星)

アポロ (1862 Apollo) について

アポロは、地球近傍小惑星の中でも特に重要な存在であるアポロ群に属する小惑星です。1932年にドイツの天文学者カール・ラインムートによって発見されました。しかし、発見後間もなく見失われてしまい、長らくその行方が不明となっていました。その後、1973年に再発見され、再び観測対象となりました。この小惑星の名前は、ギリシア神話に登場する太陽神アポロンにちなんで命名されました。

特徴

アポロは、アポロ群の最初の発見天体であり、この小惑星群の名前の由来となりました。しかし、発見後に長期間見失われていたため、アポロよりも若い小惑星番号を持つ多くの小惑星がアポロ群に属しています。例えば、(1566) イカルスなどがその例です。また、アポロは地球の軌道を横切ることが確認された最初の小惑星としても知られています。

2007年には、アポロのライトカーブ測定を通じて、YORP効果（小惑星の自転速度が太陽光によって変化する現象）が初めて確認されました。この観測結果は、小惑星の物理的特性を理解する上で重要な貢献をしました。

レーダー観測によって、アポロは扁平な形状をしていると考えられています。この形状は、アポロの自転や重力特性に影響を与えていると考えられます。

衛星について

2005年10月29日から11月2日にかけて、プエルトリコにあるアレシボ天文台でアポロのレーダー観測が行われました。その結果、アポロには衛星が存在することが確認されました。この発見は、国際天文学連合会報 (IAUC) 8627号で発表され、衛星には仮符号S/2005 (1862) 1が与えられました。この衛星の大きさは約80mと推定されており、アポロから約3km離れた軌道を約17時間周期で公転していると考えられています。アポロのような小さな天体が衛星を持つことは、小惑星の形成過程や進化を研究する上で非常に重要な発見でした。

スペクトル型

アポロのスペクトル型はQ型に分類されます。Q型小惑星は、主にカンラン石や輝石などのケイ酸塩鉱物で構成されていると考えられています。

軌道

アポロの軌道は、地球の軌道と交差する楕円軌道を描いています。そのため、アポロは地球に接近する可能性があり、地球近傍小惑星として分類されています。このような軌道を持つ小惑星は、地球への衝突リスクを持つ可能性があり、観測と監視が継続されています。

まとめ

アポロは、アポロ群の最初の発見天体であるだけでなく、多くの重要な科学的発見をもたらした小惑星です。YORP効果の初めての観測例や衛星の発見は、小惑星の物理的特性や進化を理解する上で非常に重要な知見を提供しました。今後もアポロの観測を通じて、太陽系の歴史や小惑星の性質に関する更なる発見が期待されます。

関連情報

小惑星の一覧 (1001-2000)
小惑星の衛星

外部リンク

アポロ - JPL Small-Body Database
接近アプローチ · 発見 · 天体暦 · 軌道図 · 軌道要素 · 物理パラメータ
アポロ - 小惑星センター
(1862) Apollo - Asteroids with Satellites Database--Johnston's Archive
* (1862) Apollo - The Minor Planet Observer and Palmer Divide Observatory

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