アポロ菅原

アポロ菅原（本名：菅原伸義）は、1954年2月10日生まれの日本のプロレスラーである。秋田県立秋田工業高等学校ではレスリング部に所属し、後にプロ野球選手として名を馳せる落合博満と同級生だった。高校時代は輝かしい成績を残し、1971年の第26回黒潮国体ではレスリング少年の部で優勝を飾るなど、高い実力を見せつけた。

高校卒業後は三井造船千葉造船所に就職するが、ジムのオーナーである遠藤光男の勧めでプロレスラーへの道を歩むことを決意。1979年5月、造船所を退職し、国際プロレスに入門した。同年9月17日、福岡大会での高杉正彦戦でデビュー。高杉正彦、冬木弘道（後のサムソン冬木）と共に「若手三羽烏」と呼ばれ、将来を嘱望された。

しかし、国際プロレスの活動停止に伴い、1981年に全日本プロレスへ移籍。全日本プロレスでは、1983年のルー・テーズ杯争奪リーグ戦で3位入賞を果たすなど、着実に実力をつけ、1984年には西ドイツに遠征。オットー・ワンツ、ミレ・ツルノなど、ヨーロッパのトップレスラーたちと対戦経験を積んだ。帰国後、リングネームをアポロ菅原へと変更。国際血盟軍の一員として活躍した。

しかし、全日本プロレスの日本人選手が飽和状態となり、1986年3月2日、岩手県陸前高田大会を最後に、剛竜馬、高杉正彦と共に解雇された。解雇の理由は、馬場との食事の席での発言が原因とする説と、本人の否定する説があり、いまだに真相は不明である。全日本プロレスでの最後の試合は、鶴見五郎とのタッグマッチだった。

全日本プロレス解雇後は、たけしプロレス軍団のコーチを務め、脇田洋人（現：スペル・デルフィン）、秋吉昭二（現：邪道）、高山圭司（現：外道）といった後のスター選手を指導した。その後、パイオニア戦志の旗揚げメンバーに加わるも、旗揚げ戦のみで離脱。北尾光司のトレーニングパートナーを務めるなど、フリーランスとして活動した。

1990年にはSWSに移籍。1991年4月1日、神戸ワールド記念ホールで行われた鈴木みのる戦では、試合放棄に似た行動を取り、観客から大ブーイングを浴びるという異例の事態を招いた。この出来事は、プロレス界に大きな衝撃を与えた。

SWS崩壊後はNOW、新生NOW、東京プロレスと所属団体を変えながら、フリーランスとして活動。インディー団体を中心に活躍し、怪奇派レスラー「ザ・マミー」として、有刺鉄線デスマッチなど過激な試合にも参戦した。

1996年6月30日、横浜アリーナで行われた「メモリアル力道山」大会では、鶴見五郎との試合で、ダイビングヘッドバットが失敗し、失神するというアクシデントに見舞われた。この試合は、長州力による「インディー批判」発言を招く一因ともなったが、アントニオ猪木から温かい励ましを受けたとされている。

2002年に引退し、千葉県で工事現場で働く傍ら、2020年には結婚、熊本県へ移住。2021年にはYouTubeチャンネル「アポロ菅原チャンネル」を開設、2022年にはスポーツバー『apolloキッチン』を開業するなど、多方面で活躍を続けている。アポロ菅原の激動の人生とプロレスラーとしてのキャリアは、多くのファンに語り継がれるであろう。

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