アマチュア無線の周波数帯
アマチュア無線の周波数帯とは、アマチュア無線業務のために割り当てられた電波の周波数範囲のことです。アマチュアバンド、ハムバンドとも呼ばれます。
電波は有限な資源であるため、国際電気通信連合（ITU）は無線通信規則（RR）によって、用途ごとに周波数を各国に分配しています。アマチュア業務についても、長波からミリ波に至るまでの幅広い周波数帯が割り当てられています。
RRによる周波数分配は、以下の通りです。
長波#アマチュア無線
中波#アマチュア無線
短波#アマチュア無線
超短波#アマチュア無線
極超[[短波]]#アマチュア無線
センチメートル波#アマチュア無線
ミリ波#アマチュア無線
各国は、この分配に基づき、自国の状況に合わせてアマチュア業務に割り当てる周波数帯を決定します。そのため、各国の割り当ては必ずしも一致しません。
ITUは世界を以下の3つの地域に区分しています。
第1地域：ヨーロッパ、アフリカ、ロシア
第2地域：アメリカ州（ハワイを含む）
第3地域：極東ロシアを除く太平洋地域、オセアニア、アジア（日本を含む）
地域によって割り当てられる周波数帯が異なり、例えば220MHz帯や900MHz帯は第3地域には分配されていないため、日本ではアマチュア業務に使用できません。一方、70MHz帯のように、RRではアマチュア業務に分配されていないものの、各国の判断でアマチュア業務に割り当てられている周波数帯も存在します。
日本では、総務省が電波法に基づき、周波数割当計画によって業務ごとに周波数を割り当てています。この計画では、優先順位の高い業務を「一次業務」、他の業務に劣後する業務を「二次業務」と定めています。二次業務の局は、一次業務の局による混信から保護されず、一次業務の通信を妨害してはなりません。
また、「小電力業務用」も規定されていますが、これは免許不要局であり、一次業務、二次業務のいずれにも劣後します。さらに、ISMバンド内の周波数帯では、ISM機器からの有害な混信を容認する必要があります。
アマチュア業務に割り当てられた周波数帯は、告示「アマチュア局が動作することを許される周波数帯」に記載されています。この告示に掲載されていない周波数帯は、RRや周波数割当計画でアマチュア業務に割り当てることが可能であっても使用できません。また、告示では原則としてバンドの中央周波数を指定周波数としています。
10.4GHz帯までの周波数帯では、通信方式ごとに利用区分が規定されており、これを「バンドプラン」と呼びます。これは、アマチュア局が任意の周波数、任意の電波型式で運用することで、他の無線局に混信などの妨害を与えることを防ぐためのものです。
アマチュアバンドは、その波長に対応したバンド名でも呼ばれます。例えば、7MHz帯は40mバンド、50MHz帯は6mバンドなどです。
以下に、バンドごとの電波伝播、バンドプランによる利用区分や実態などの特徴を説明します。
第三級アマチュア無線技士以上に許可されるバンド（■）
第二級アマチュア無線技士以上に許可されるバンド（■）
第四級アマチュア無線技士には電信が許可されない
これらの規定は電波法施行令に定められています。
アマチュア無線を運用するには、アマチュア無線技士の資格を取得し、アマチュア局を個人で開設するか、社団局の構成員またはゲストオペレーターになる必要があります。詳細はアマチュア無線技士、アマチュア局、アマチュア局の開局手続きを参照してください。
無線局免許状には、許可されたアマチュアバンドが指定周波数によって示されます。アマチュア局は、無線局免許状の指定事項とバンドプランの使用区分を遵守して運用しなければなりません。
実際の運用においては、無線局運用規則第257条により、「アマチュア局の発射する電波は、その局が動作を許された周波数帯から逸脱してはならない」と定められています。特にバンドエッジ付近では、電波の型式によっては周波数成分がはみ出す可能性があるため、占有周波数帯幅を考慮して運用する必要があります。
また、慣習に基づく周波数の使い分けもあります。例えば、3.757MHzと7.195MHzはAM専用、7.000～7.005MHzや21.295MHzはDX（遠距離通信）専用、50.500～50.600MHz付近にはAMが多い、非常事態発生時にはメインチャンネル（51MHz、145MHz、433MHz、1295MHz、2427MHz、5760MHz、10.24GHz）を聴守するなどの慣習があります。
日本における無線に関する最初の法律は、1900年（明治33年）に施行された電信法です。当時は無線電信は政府が管掌し、私設は一切禁じられていました。アマチュア無線はもちろん、企業の無線実験施設も認められませんでした。これらの施設が認められるようになったのは無線[[電信法]]以降です。
電波法は1950年（昭和25年）5月2日に制定され、6月1日に施行されました。参考として、アマチュアバンドに割り当てられた後、競合するよう割り当てられた他業務の周波数についても記載します。
各国のアマチュア無線団体は、独自のバンドプランを策定しています。これらは、日本の「アマチュア業務に使用する電波の型式及び周波数の使用区別」に相当するものですが、「アマチュア局が動作することを許される周波数帯」とは異なります。
以下は、各国のバンドプラン例です。
アメリカ合衆国（American Radio Relay League）：Band Plan
ドイツ（Deutscher Amateur Radio Club）：Bandpläne KW, Bandpläne UKW
カナダ（Radio Amateurs of Canada）：Band Plans
オーストラリア（Wireless Institute of Australia）：Band Plan Update
フランス（Réseau des Émetteurs Français）：Plan de bandes
大韓民国（Korean Amateur Radio League）：Band Plan in Korea
ニュージーランド（New Zealand Association of Radio Transmitters）：NZ Repeater, Beacon (fixed stations) Maps & Bandplan Information
脚注
注釈
出典
アマチュア無線
アマチュア局
アマチュア無線技士
世界無線通信会議
アマチュアバンドプラン (日本アマチュア無線連盟)
* 我が国の電波の使用状況 (総務省電波利用ホームページ)
概説
電波は有限な資源であるため、国際電気通信連合（ITU）は無線通信規則（RR）によって、用途ごとに周波数を各国に分配しています。アマチュア業務についても、長波からミリ波に至るまでの幅広い周波数帯が割り当てられています。
RRによる周波数分配は、以下の通りです。
長波#アマチュア無線
中波#アマチュア無線
短波#アマチュア無線
超短波#アマチュア無線
極超[[短波]]#アマチュア無線
センチメートル波#アマチュア無線
ミリ波#アマチュア無線
各国は、この分配に基づき、自国の状況に合わせてアマチュア業務に割り当てる周波数帯を決定します。そのため、各国の割り当ては必ずしも一致しません。
ITUは世界を以下の3つの地域に区分しています。
第1地域：ヨーロッパ、アフリカ、ロシア
第2地域：アメリカ州（ハワイを含む）
第3地域：極東ロシアを除く太平洋地域、オセアニア、アジア（日本を含む）
地域によって割り当てられる周波数帯が異なり、例えば220MHz帯や900MHz帯は第3地域には分配されていないため、日本ではアマチュア業務に使用できません。一方、70MHz帯のように、RRではアマチュア業務に分配されていないものの、各国の判断でアマチュア業務に割り当てられている周波数帯も存在します。
日本における周波数割当
日本では、総務省が電波法に基づき、周波数割当計画によって業務ごとに周波数を割り当てています。この計画では、優先順位の高い業務を「一次業務」、他の業務に劣後する業務を「二次業務」と定めています。二次業務の局は、一次業務の局による混信から保護されず、一次業務の通信を妨害してはなりません。
また、「小電力業務用」も規定されていますが、これは免許不要局であり、一次業務、二次業務のいずれにも劣後します。さらに、ISMバンド内の周波数帯では、ISM機器からの有害な混信を容認する必要があります。
アマチュア業務に割り当てられた周波数帯は、告示「アマチュア局が動作することを許される周波数帯」に記載されています。この告示に掲載されていない周波数帯は、RRや周波数割当計画でアマチュア業務に割り当てることが可能であっても使用できません。また、告示では原則としてバンドの中央周波数を指定周波数としています。
10.4GHz帯までの周波数帯では、通信方式ごとに利用区分が規定されており、これを「バンドプラン」と呼びます。これは、アマチュア局が任意の周波数、任意の電波型式で運用することで、他の無線局に混信などの妨害を与えることを防ぐためのものです。
割当てとその特徴
アマチュアバンドは、その波長に対応したバンド名でも呼ばれます。例えば、7MHz帯は40mバンド、50MHz帯は6mバンドなどです。
以下に、バンドごとの電波伝播、バンドプランによる利用区分や実態などの特徴を説明します。
第三級アマチュア無線技士以上に許可されるバンド（■）
第二級アマチュア無線技士以上に許可されるバンド（■）
第四級アマチュア無線技士には電信が許可されない
これらの規定は電波法施行令に定められています。
運用
アマチュア無線を運用するには、アマチュア無線技士の資格を取得し、アマチュア局を個人で開設するか、社団局の構成員またはゲストオペレーターになる必要があります。詳細はアマチュア無線技士、アマチュア局、アマチュア局の開局手続きを参照してください。
無線局免許状には、許可されたアマチュアバンドが指定周波数によって示されます。アマチュア局は、無線局免許状の指定事項とバンドプランの使用区分を遵守して運用しなければなりません。
実際の運用においては、無線局運用規則第257条により、「アマチュア局の発射する電波は、その局が動作を許された周波数帯から逸脱してはならない」と定められています。特にバンドエッジ付近では、電波の型式によっては周波数成分がはみ出す可能性があるため、占有周波数帯幅を考慮して運用する必要があります。
また、慣習に基づく周波数の使い分けもあります。例えば、3.757MHzと7.195MHzはAM専用、7.000～7.005MHzや21.295MHzはDX（遠距離通信）専用、50.500～50.600MHz付近にはAMが多い、非常事態発生時にはメインチャンネル（51MHz、145MHz、433MHz、1295MHz、2427MHz、5760MHz、10.24GHz）を聴守するなどの慣習があります。
歴史
日本における無線に関する最初の法律は、1900年（明治33年）に施行された電信法です。当時は無線電信は政府が管掌し、私設は一切禁じられていました。アマチュア無線はもちろん、企業の無線実験施設も認められませんでした。これらの施設が認められるようになったのは無線[[電信法]]以降です。
電波法は1950年（昭和25年）5月2日に制定され、6月1日に施行されました。参考として、アマチュアバンドに割り当てられた後、競合するよう割り当てられた他業務の周波数についても記載します。
諸外国
各国のアマチュア無線団体は、独自のバンドプランを策定しています。これらは、日本の「アマチュア業務に使用する電波の型式及び周波数の使用区別」に相当するものですが、「アマチュア局が動作することを許される周波数帯」とは異なります。
以下は、各国のバンドプラン例です。
アメリカ合衆国（American Radio Relay League）：Band Plan
ドイツ（Deutscher Amateur Radio Club）：Bandpläne KW, Bandpläne UKW
カナダ（Radio Amateurs of Canada）：Band Plans
オーストラリア（Wireless Institute of Australia）：Band Plan Update
フランス（Réseau des Émetteurs Français）：Plan de bandes
大韓民国（Korean Amateur Radio League）：Band Plan in Korea
ニュージーランド（New Zealand Association of Radio Transmitters）：NZ Repeater, Beacon (fixed stations) Maps & Bandplan Information
日本との相互運用協定の締結順
脚注
注釈
出典
関連項目
アマチュア無線
アマチュア局
アマチュア無線技士
世界無線通信会議
外部リンク
アマチュアバンドプラン (日本アマチュア無線連盟)
* 我が国の電波の使用状況 (総務省電波利用ホームページ)
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