無線局運用規則
無線局運用規則について
無線局運用規則は、電波法に基づき、無線局の運用方法を詳細に定めた電波監理委員会規則です。この規則は、無線通信の適切な利用を確保し、円滑な電波利用を促進することを目的としています。
構成
この規則は、総則から始まり、無線局の種類や業務内容に応じて、具体的な運用方法を規定しています。2023年12月22日現在の構成は以下の通りです。
第1章：総則
第1節：通則
第2節：無線設備の機能の維持等
第2章：一般通信方法
第1節：通則
第2節：無線電信通信の方法
第3章：海上移動業務、海上移動衛星業務及び海上無線航行業務の無線局の運用
第1節：通則
第2節：通信方法
第1款：通則
第2款：デジタル選択呼出通信
第3款：狭帯域直接印刷電信通信
第4款：モールス無線通信及び無線電話通信
第3節：遭難通信、緊急通信及び安全通信
第1款：通則
第2款：遭難通信
第3款：緊急通信
第4款：安全通信
第4節：漁業通信
第5節：海上無線航行業務
第4章：固定業務、陸上移動業務及び携帯移動業務の無線局、簡易無線局並びに非常局の運用
第1節：通信方法
第2節：非常の場合の無線通信
第3節：携帯無線通信を行う基地局、広帯域移動無線アクセスシステムの基地局及びローカル5G基地局の監視制御等
第5章：地上基幹放送局及び地上一般放送局の運用
第6章：特別業務の局及び標準周波数局の運用
第7章：航空移動業務、航空移動衛星業務及び航空無線航行業務の無線局の運用
第1節：通則
第2節：通信方法
第3節：遭難通信及び緊急通信
第4節：航空無線航行業務
第8章：アマチュア局の運用
第9章：宇宙無線通信の業務の無線局の運用
第10章：特定実験試験局の運用
附則
概要
本規則は、無線局の運用方法を包括的に規定しており、技術の進歩や社会の変化に合わせて改正が重ねられてきました。制定当初は、海上通信や固定局間の通信が中心でしたが、航空通信、陸上移動通信、宇宙通信など、様々な通信分野が追加されてきました。
特に、初期には主要な通信手段であったモールス符号による通信は、現在では利用が減少していますが、依然として一部で必要とされているため、関連規定が残されています。また、規則の別表には、モールス符号、Q符号、通話表など、無線通信で使用される符号や用語が定められています。
歴史
無線局運用規則は、1950年の制定以来、数多くの改正を経て現在に至ります。以下に主な改正点をまとめます。
1950年（昭和25年）
6月：電波監理委員会規則第7号として制定。当時の構成は、総則、一般通信方法、海上移動業務、固定局の運用、放送局の運用、特別業務の局等の運用など。
11月：電波監理委員会規則第17号として全部改正。
1953年（昭和28年）
郵政省令第30号による一部改正。特別業務の局等の運用が、特別業務の局及び標準周波数局の運用に改正。
航空無線通信業務の局の運用に関する規定が追加。
1955年（昭和30年）
郵政省令第6号による一部改正。アマチュア局の運用に関する規定が追加。
1959年（昭和34年）
郵政省令第30号による一部改正。航空通信における印字方式が、テレタイプライターによる通信に改定。
1960年（昭和35年）
郵政省令第20号による一部改正。簡易無線局の運用に関する規定が追加。
1961年（昭和36年）
郵政省令第15号による一部改正。固定業務、陸上移動業務、携帯移動業務の無線局、簡易無線局、非常局の運用に関する規定が整備。簡易無線局の運用に関する規定が削除。
1963年（昭和38年）
郵政省令第12号による一部改正。海上無線測位業務が海上無線航行業務に改定、航空無線測位業務が航空無線航行業務に改定。
郵政省令第28号による一部改正。海上移動業務の局の運用に関する規定が、海上移動業務及び海上無線航行業務の無線局の運用に改定。航空無線通信業務の局の運用に関する規定が、航空移動業務及び航空無線航行業務の局の運用に改定。
1965年（昭和40年）
郵政省令第29号による一部改正。非常通信が、非常の場合の無線通信に改定。
1975年（昭和50年）
郵政省令第21号による一部改正。宇宙局の中継による船舶地球局との通信に関する規定が追加。
1982年（昭和57年）
郵政省令第10号による一部改正。宇宙局の中継による船舶地球局との通信に関する規定が、宇宙無線通信の業務の無線局の運用に改定。
1989年（平成元年）
郵政省令第77号による一部改正。航空移動業務及び航空無線航行業務の無線局の運用が、航空移動業務、航空移動衛星業務及び航空無線航行業務の無線局の運用に改定。遭難通信、緊急通信及び安全通信が、遭難通信及び緊急通信に改定。
1990年（平成2年）
郵政省令第49号による一部改正。海上移動業務及び海上無線航行業務の無線局の運用が、海上移動業務、海上移動衛星業務及び海上無線航行業務の無線局の運用に改定。通信方法に、デジタル選択呼出通信、狭帯域直接印刷電信通信、モールス無線通信及び無線電話通信が追加。
1998年（平成10年）
郵政省令第108号による一部改正。海上無線航行業務に関する規定が、無線方向探知業務及び無線標識業務から、海上無線航行業務に改定。航空固定業務の局の運用に関する規定が削除。
1999年（平成11年）
郵政省令第40号による一部改正。海上移動業務、海上移動衛星業務及び海上無線航行業務の無線局の運用の条文から、遭難通信、緊急通信及び安全通信に関するモールス符号使用に関する事項が削除。
2004年（平成16年）
総務省令第30号による一部改正。特定実験局の運用に関する規定が追加。
2008年（平成20年）
総務省令第32号による一部改正。特定実験局の運用が、特定実験試験局の運用に改定。
2011年（平成23年）
総務省令第66号による一部改正。放送局の運用が、地上基幹放送局の運用に改定。
2012年（平成24年）
総務省令第23号による一部改正。地上基幹放送局の運用が、地上基幹放送局及び地上一般放送局の運用に改定。
2020年（令和2年）
総務省令第38号による一部改正。航空無線航行業務に関する規定が削除。
2022年（令和4年）
総務省令第11号による一部改正。携帯無線通信を行う基地局、広帯域移動無線アクセスシステムの基地局及びローカル5G基地局の監視制御等に関する規定が追加。
関連項目
中波帯
中短波帯
短波帯
モールス符号
無線用語
Q符号
CQ
SOS
メーデー ([[遭難信号)]]
遭難信号
通話表
外部リンク
無線局運用規則 総務省電波利用ホームページ - 総務省電波関係法令集
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