アリダイオス
アリダイオス: アレクサンドロス大王の将軍
アリダイオス（希：Aρριδαιoς, ラテン文字転記：Arridaios）は、マケドニア王国の将軍であり、アレクサンドロス3世（大王）の下で活躍しました。その生涯は不明な点が多いものの、彼の重要な役割とその結果、歴史における影響を探ることは非常に興味深いです。
大王の死と後の責任
紀元前323年、アレクサンドロス大王が突然亡くなると、アリダイオスは彼の遺体をエジプトのアモン神殿へ運ぶという重要な任務を託されました。彼はこのための準備に2年を費やし、紀元前321年にその任務を果たしました。アレクサンドロスの遺体は、エジプトを支配するプトレマイオスに引き渡されました。
戦乱と権力闘争
大王の死後、マケドニアにおける権力闘争は激化しました。摂政としてのペルディッカスと彼に従う諸将との間で数度の戦闘が起こり、最終的にインパクトある結果をもたらしました。ペルディッカスはエジプトで暗殺され、その後の混乱がアリダイオスに影響を及ぼします。
アリダイオスとペルディッカスの暗殺に関わった将軍ペイトンは、プトレマイオスによって後任の摂政に選ばれましたが、アレクサンドロスの異母兄弟であるピリッポス3世の妻エウリュディケ2世の強い反発によって、その地位を保つことはできませんでした。結局、ピリッポス2世から仕えていた重臣アンティパトロスが摂政に就任します。
同時に、アリダイオスは新たに設けられた属領の分割でヘレスポントス・フリュギアの太守に任命されました。
フリュギア太守としての試練
紀元前319年、アンティパトロスが亡くなると、アリダイオスはフリュギア太守のアンティゴノスからの攻撃に備える必要が出てきました。彼は守るべき都市の守備を固めることに奔走しましたが、キュジコスに対する攻撃が失敗に終わります。この失敗は、アンティゴノスにアリダイオスの太守職からの辞任を求める口実を与えてしまいました。
彼は辞任を拒みましたが、これによりアンティゴノスの攻撃を受けることになります。アリダイオスは同様にアンティゴノスに反対するカッパドキア太守エウメネスと同盟を結ぶ試みも行いましたが、これもまた失敗に終わります。
忘れられた人物
その後、アリダイオスはアンティゴノスによってキオスに投獄され、その記録はここで途絶えます。彼の最後は明らかではなく、いつ亡くなったのかも不明のままです。アリダイオスの存在は、アレクサンドロス大王の影響力が薄れる中でのマケドニアの混乱を象徴する一人の将軍として歴史に名を刻むことになりました。
参考文献
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