アリ・アブデルアジズ

アリ・アブデルアジズは、1977年12月4日生まれのエジプト出身の総合格闘技プロモーター兼マネージャーです。元柔道家、元総合格闘家としてのキャリアを持ち、現在は多くのトップMMA選手をマネージメントする一方で、物議を醸す行動でも知られています。

6歳から柔道を始め、高いレベルで競技に打ち込んだ彼は、17歳という若さでアトランタオリンピックに出場するほどの才能の持ち主でした。その後、総合格闘技の世界へと進出。2007年にはHERO'Sで日本のトップ選手と対戦するなど、華々しいキャリアを築いていきました。HERO'S 2007開幕戦では宇野薫選手と対戦しましたが、腕ひしぎ十字固めで敗北を喫しています。

選手としてのキャリアに終止符を打った後、アブデルアジズは総合格闘技界で新たな道を切り開きました。アメリカ合衆国の総合格闘技団体WSOFの副社長に就任するなど、経営者としての才能も発揮。しかし、2015年には同職を辞任しています。

彼の真の才能が開花したのは、選手マネージメントの世界に足を踏み入れてからです。自ら設立した「ドミネンス・MMA・マネージメント」は、世界的に有名なMMAファイターを数多く抱える一大勢力へと成長を遂げました。ハビブ・ヌルマゴメドフ、カマル・ウスマン、ヘンリー・セフードといった、世界で活躍するトップクラスの選手たちが、彼のマネージメント下にいるのです。その他にも、ジャスティン・ゲイジー、コーディ・ガーブラント、フランク・エドガー、ファブリシオ・ヴェウドゥム、ラシャド・エヴァンス、ケイラ・ハリソン、ランス・パーマー、ギルバート・バーンズ、ザビット・マゴメドシャリポフ、ベニール・ダリウシュ、ギガ・チカゼ、イスラム・マカチェフ、デレク・ブランソン、ダン・イゲ、マゴメド・アンカラエフ、ベラル・ムハマッド、コーリー・アンダーソン、アンソニー・ジョンソン、マーヴィン・ヴェットーリ、ケルヴィン・ガステラム、ポール・デイリー、ビセンテ・ルケ、オットマン・アツァイター、パトリック・ミックスなど、錚々たるメンバーが名を連ねています。

しかし、彼の成功は常に論争と隣り合わせでした。アブデルアジズは、自身のクライアントである選手と、その対戦相手との間で度々トラブルを引き起こしていることで知られています。コナー・マクレガーやコルビー・コヴィントンといった有名選手との対戦相手との間で起こった数々の騒動は、MMA界に大きな波紋を広げました。PFLでは対戦相手のマネージャーを殴打し、大会への立入禁止処分を受けるという事態も発生しています。

彼の行動は、常に批判と称賛の的となっています。彼のマネージメント手腕は、多くのトップ選手の成功を支えてきたことは事実です。しかし、その一方で、彼の行動が、スポーツ界全体に悪影響を与える可能性も否定できません。

アリ・アブデルアジズは、才能と問題行動を併せ持つ、MMA界きっての異才と言えるでしょう。彼の将来、そしてMMA界全体に与える影響は、今後も注目され続けることでしょう。彼の従兄弟にはレスリング選手のカラム・イブラヒムがいることも知られています。

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