マゴメド・アンカラエフ

マゴメド・アンカラエフ（Magomed Ankalaev）は、1992年6月2日生まれ、ロシア・ダゲスタン共和国出身の総合格闘家です。ファイトクラブ・アフマトに所属し、UFCライトヘビー級ランキングで常に上位を争う実力者として知られています。

プロフィールとキャリア初期

ダゲスタン国立大学時代にグレコローマンレスリングを始めたアンカラエフは、スポーツ学部卒業後、コンバットサンボに転向。その才能を開花させ、スポーツマスターの称号を授与されました。コンバットサンボと総合格闘技の類似性から、総合格闘技への転向を決意。アマチュア総合格闘技では、ロシア国内選手権と世界選手権で優勝を果たし、後のBellator世界王者ワジム・ネムコフやワレンティン・モルダフスキーにも勝利しています。アマチュアでの輝かしい実績を引っ提げ、2014年にプロ総合格闘技の世界に足を踏み入れました。

UFCでの活躍

ローカル団体で10戦全勝という圧倒的な強さを見せつけたアンカラエフは、2018年3月、UFCに初参戦しました。しかし、ポール・クレイグとの試合では、試合終了間際の三角絞めでまさかの逆転負けを喫し、プロキャリア初の黒星を経験しました。この敗戦をバネに、アンカラエフは再び勝利を重ねていきます。

2018年9月には、マルチン・プラフニオを左ハイキックからのパウンドでKOし、パフォーマンス・オブ・ザ・ナイトを受賞。2019年11月には、ダルチャ・ランギアムブーラを左前蹴りでKOし、再びパフォーマンス・オブ・ザ・ナイトを獲得しました。

2020年2月には、イオン・クテラバとの試合で、開始38秒でTKO勝利を収めたものの、レフェリーストップを巡り議論が起こり再戦が組まれました。再戦では、カウンターの左ストレートでクテラバを1RKOし、3度目のパフォーマンス・オブ・ザ・ナイトを獲得しました。この勝利により、アンカラエフの実力が確固たるものになったことを示しました。

その後もアンカラエフは、ニキータ・クリーロフ、ヴォルカン・オーズデミア、チアゴ・サントスといった強豪を相手に判定勝利を収め、着実にランキングを上げていきました。2022年7月には、アンソニー・スミスを2RTKOで破り、連勝記録を9に伸ばしました。

UFC世界王座への挑戦

2022年12月、UFC 282でライトヘビー級王座決定戦に挑み、ヤン・ブラホヴィッチと対戦。試合はドロー判定となり、王座獲得はなりませんでした。しかし、海外のMMAメディアの多くがアンカラエフの勝利を支持するなど、その実力は高く評価されています。

2023年10月には、ジョニー・ウォーカーとの試合で、グラウンド状態での膝蹴りという反則行為によってノーコンテストとなりました。この試合では、医師の判断を巡り物議を醸しましたが、再戦ではウォーカーに2RKO勝利を収め、4度目のパフォーマンス・オブ・ザ・ナイトを受賞しました。

直近では、2024年10月にアレクサンダル・ラキッチに判定勝利し、UFC世界ライトヘビー級王者アレックス・ペレイラへのタイトル挑戦をアピールしています。

戦闘スタイルと評価

アンカラエフは、卓越したレスリング技術と破壊力のある打撃を兼ね備えた、総合力の高いファイターです。試合運びの巧みさや、冷静な判断力も持ち合わせており、対戦相手にとっては非常に手強い存在です。今後の活躍が非常に期待される選手の一人です。

主な獲得タイトルと表彰

WFCAライトヘビー級王座（2016年）
UFCパフォーマンス・オブ・ザ・ナイト（4回）

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