アルジェリア・ディナール

アルジェリア・ディナール（DZD）は、アルジェリアの通貨単位であり、国際的にISO 4217コードでDZDと表記されます。補助通貨はサンチームで、1アルジェリア・ディナールは100サンチームに相当します。

歴史

アルジェリアでは、フランスの支配下にあった1848年からフランス・フランと同価値のアルジェリア・フランが使用されていました。1960年にはデノミネーションが行われ、1アルジェリア新フランが100旧フランと等価になりました。その後、1964年にアルジェリア新フランは廃止され、アルジェリア・ディナールが導入されました。この時、新フランとディナールは等価で交換されました。

硬貨

1964年に、1サンチームから1ディナールまでの硬貨が発行されました。これらの硬貨は、アルミニウム、アルミニウムと銅の合金、白銅などの素材で作られています。表面にはアルジェリアの国章と額面が刻印されています。その後、これらの硬貨は記念品としても利用されるようになりました。

1992年には、1⁄4ディナールから100ディナールまでの新しい硬貨が発行されました。特に、10, 20, 50, 100ディナール硬貨はバイメタル製です。現在、一般的に流通しているのは5ディナール以上の硬貨です。1990年代初頭のインフレーションにより、サンチームや小額ディナールの硬貨はほとんど使われなくなりました。しかし、価格を述べる際にはサンチーム単位を用いる習慣が残っており、例えば100ディナルの商品を「1万サンチーム」と表現します。

硬貨には、以下のような動物がデザインされています。

1/4ディナール硬貨（白銅貨）：フェネック
1/2ディナール硬貨（白銅貨）：バルブ馬
1ディナール硬貨（白銅貨）：水牛
2ディナール硬貨（白銅貨）：ラクダ
5ディナール硬貨（白銅貨）：アフリカゾウ
10ディナール硬貨（バイメタル貨）：ハヤブサ
20ディナール硬貨（バイメタル貨）：ライオン
50ディナール硬貨（バイメタル貨）：ガゼル
100ディナール硬貨（バイメタル貨）：バルブ馬

紙幣

1964年に、5, 10, 50, 100ディナール紙幣が発行されました。1970年には500ディナール紙幣が、1992年には1000ディナール紙幣が追加されました。アルジェリア・ディナールの紙幣は、表面にアラビア語、裏面にフランス語で表記されているのが特徴です。

100ディナール紙幣は硬貨に取って代わられ、現在では主に200, 500, 1000ディナール紙幣が流通しています。1998年以降、500, 1000ディナール紙幣には偽造防止のためホログラフィーの帯が導入されました。

紙幣には、以下のようなテーマやデザインが用いられています。

100ディナール紙幣（青）：植民地時代以前の歴史をテーマに、サーベルを持ったアラブ騎兵とアルジェリア軍の帆船が描かれています。また、1775年のエル・ハラシの戦いでスペインの侵略に勝利した場面も描かれています。
200ディナール紙幣（赤茶）：イスラム伝来をテーマに、クルアーンの装飾文字、モスク、オリーブとイチジクの木、イスラム伝来時のカラーム学校がデザインされています。
500ディナール紙幣（紫・ピンク）：ヌミディア時代をテーマに、ティパサで戦うローマ人とローマ墳墓、グエルマ県のハマーム（温泉）、ヌミディア王国の象に乗った戦士とローマ帝国の侵略が描かれています。
1,000ディナール紙幣（青紫）：アルジェリア先史時代をテーマに、水牛とタッシリ・ナジェールの洞窟壁画、ホガール山地の遺跡がデザインされています。

脚注

アルジェリア銀行ウェブサイト 紙幣のページ（フランス語）

関連項目

ディナール

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