アルティマトゥーレ

アルティマトゥーレ：世界の果てを目指した競走馬の物語

2004年4月14日生まれのアルティマトゥーレは、日本の競走馬界にその名を刻んだサラブレッドです。その名の由来は「世界の果て」。その名にふさわしく、彼女は数々のレースを駆け抜け、華々しい勝利と惜敗を経験しました。

デビューから重賞制覇まで

2006年12月、阪神競馬場でのデビュー戦を鮮やかに制し、競走馬としてのキャリアをスタートさせました。その後、幾多のレースを経験する中で、体質の弱さから長期休養を余儀なくされる時期もありました。2008年、美浦トレーニングセンターの奥平雅士厩舎に移籍し、再びレースの世界へ。2009年には、中京[[競馬場]]での豊橋特別と鈴鹿特別を連勝し、勢いに乗って重賞初挑戦となる阪神牝馬ステークスに出走するも10着と惨敗しました。しかし、その後も着実に力をつけ、7月のアイビスサマーダッシュで3着に入線。そして迎えた9月のセントウルステークスでは、見事な走りで重賞初制覇を成し遂げます。さらに、弟のキャプテントゥーレが前日に朝日チャレンジカップを制したことで、姉弟揃って重賞を制覇するという快挙も達成しました。しかし、スプリンターズステークスでは5着、京阪杯では8着と、結果を残すことはできませんでした。

輝き続けた才能と惜敗

2010年、2月7日のシルクロードステークスで、アルティマトゥーレは重賞2勝目を挙げました。最後の直線で抜け出し、ショウナンカザンを1馬身3/4差で抑える圧巻の勝利でした。しかし、引退レースとなった高松宮記念では5着に終わり、有終の美を飾ることはできませんでした。

繁殖牝馬としての新たな道

競走馬を引退したアルティマトゥーレは、北海道千歳市の社台ファームで繁殖牝馬として繋養されました。多くの優秀な産駒を残すことを期待されていましたが、2016年2月15日、アルティマリガーレ出産の翌日、突然の死を迎えました。その短い生涯の間に、彼女は競走馬として、そして繁殖牝馬として、競馬界に大きな足跡を残しました。 直仔からは重賞馬は誕生しませんでしたが、2番仔のアルティマブラッドの産駒であるイーグルノワールが2023年に兵庫ジュニアグランプリを制覇するなど、その血統は着実に受け継がれています。

華麗なる血統

アルティマトゥーレの血統背景もまた、彼女の実力を物語るものです。母エアトゥーレは阪神牝馬ステークス優勝馬。半弟には皐月賞優勝馬のキャプテントゥーレ、小倉記念優勝馬のクランモンタナ、ステイヤーズステークス優勝馬のシルヴァーソニックと、そうそうたるメンバーが名を連ねます。祖母スキーパラダイスは、フランスのG1レースであるムーラン・ド・ロンシャン賞や京王杯スプリングカップを制覇した名牝です。さらに遡ると、曾祖母にはアメリカG1レースのエイコーンステークスを制したスキーゴーグルの名も見えます。

「世界の果て」への旅路

アルティマトゥーレの生涯は、まさに「世界の果て」を目指した旅路そのものでした。数々のレースでの勝利と敗北、そして繁殖牝馬としての新たな挑戦。短い時間ではありましたが、その輝かしい功績は、競馬ファンたちの記憶に長く刻み込まれることでしょう。彼女が残した血統は、これからも競馬界を彩り続けることでしょう。 アルティマトゥーレという名の競走馬は、私たちの心に永遠に生き続ける存在です。

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