アルバトロス D.I

アルバトロス D.I (Albatros D.I)

アルバトロス D.Iは、第一次世界大戦中に活躍したドイツの戦闘機です。その運用期間は短かったものの、この機体はその後のアルバトロス Dシリーズの基盤を築き、戦争の終焉を迎える際にはドイツとオーストリアの戦闘機部隊の主力を形成しました。

設計と開発

アルバトロス D.Iは、ロベルト・テレン、R・シューベルト、グナディッヒの3人によって設計されました。第一次世界大戦の初期には、連合国側のニューポール 11「ベベ」やエアコー DH.2など、高性能な戦闘機が登場し、連合国の空に優位性をもたらす時代でした。このような状況への対抗策として、アルバトロス D.Iは1916年6月に発注され、同年8月から実戦に投入されることとなりました。

D.Iは、合板パネルによるセミモノコック構造の胴体を持ち、この設計は当時の一般的な布張り箱型の胴体と比べて軽量でありながら強靭な作りでした。さらに、その空気力学的な形状も容易に整形することができ、コスト面でもフルモノコック構造よりも優れるものでした。エンジンには、6気筒水冷のベンツの150馬力Bz III、またはメルツェデスの160馬力D.IIIのいずれかが搭載され、これによってD.Iはドイツ軍航空隊にとって最強の戦闘機の一つとなりました。また、シュパンダウ機関銃2挺を装備しても、その性能は損なわれることがありませんでした。

当時としては比較的高い翼面荷重を持っていたD.Iは、操縦性に特別優れていたわけではありませんが、速度と火力の面で優れていたため、これを補っていました。この結果、D.Iは短期間で「万能戦闘機」としての地位を築くことができました。

運用歴

D.Iの生産は先行型を含めて50機に達し、1916年11月までに実戦配備が完了しました。それまでのフォッカーやハルバーシュタットの戦闘機から交代し、帝国航空隊に真の攻撃力をもたらしました。しかしD.Iはその後、生産がストップし、パイロットの視界を改善する目的で、翼の間隔を縮めた D.II に移行しました。このD.IIはアルバトロス機の最初の量産型となり、運用上の改良が施されました。

主な運用者

この機体は、主にドイツ帝国軍航空隊（Luftstreitkräfte）によって運用されました。

D.Iの性能諸元

• - 乗員: 1
• - 全長: 7.40 m
• - 全高: 2.95 m
• - 翼幅: 8.50 m
• - 翼面積: 22.9 m²
• - 空虚重量: 645 kg
• - 運用時重量: 898 kg
• - 動力: ベンツ Bz.III レシプロ（150 hp）×1

性能

• - 最大速度: 175 km/h
• - 航続距離: 1.5時間
• - 実用上昇限度: 3,000 m
• - 上昇率: 168 m/min
• - 武装: 7.92 mm LMG 08/15機関銃 ×2

関連項目

• - アルバトロス D.I
• - アルバトロス D.II
• - アルバトロス D.III
• - アルバトロス D.IV
• - アルバトロス D.V
• - ニューポール 11

参考文献

• - Cheesman, E.F. (1960). Fighter Aircraft of the 1914-1918 War. Harleyford Publications
• - Munson, Kenneth (1968). Fighters, Attack and Training Aircraft 1914-1919 War. Blndford Press
• - Taylor, John W.R. (1969). "Albatros D.I and D.II". Combat Aircraft of the World from 1909 to the Present. Putman
• - Grey & Thetford (1962-70). German Aircraft of the First World War (2nd ed.). Putnam & Company

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