アルフェウス・ウィリアムズ

アルフェウス・スターキー・ウィリアムズ：多才な軍人、政治家の生涯

アルフェウス・スターキー・ウィリアムズ（Alpheus Starkey Williams, 1810年9月29日 - 1878年12月21日）は、アメリカ合衆国コネチカット州出身の弁護士、判事、ジャーナリスト、そしてアメリカ合衆国下院議員であり、南北戦争では北軍の将軍として活躍した人物です。彼の生涯は、弁護士、ジャーナリスト、政治家、そして軍人という多岐にわたる分野での経験に彩られています。

若き日の挑戦と多岐にわたるキャリア

1810年にコネチカット州で生まれたウィリアムズは、1831年にイェール大学で法律の学位を取得しました。父の遺産を元手に、1832年から1836年にかけてアメリカとヨーロッパを広範囲に旅し、帰国後はミシガン州デトロイトに居を構えました。デトロイトでは弁護士として成功を収め、名家の娘ジェーン・ヒアフォードと結婚し、5人の子供をもうけましたが、うち2人は幼くして亡くなりました。ジェーンもまた、1849年に30歳という若さで亡くなっています。

ウィリアムズは、デトロイトで様々な職業を経験しました。ウェイン郡の遺言検認判事、セントクレア銀行の頭取、日刊紙『アドバタイザー』の社主兼編集者、デトロイトの郵便局長などを歴任し、その多才ぶりを示しました。

また、1836年にデトロイトへ来た際にミシガン民兵隊に入隊して以来、市の民兵活動にも長く携わりました。米墨戦争では中尉に指名されましたが、部隊の到着が遅れたため戦闘には参加しませんでした。その後、州民兵局長やデトロイト軽装警備隊の少佐も務めました。

南北戦争での活躍

1861年に南北戦争が勃発すると、ウィリアムズは州内の最初の志願兵の訓練に尽力し、准将に昇進しました。ポトマック軍では師団長として、シェナンドー渓谷やシーダー山の戦いなどで南軍と対峙しました。アンティータムの戦いでは、軍団長が戦死したため一時的に軍団の指揮を執り、激戦を戦い抜きました。

特にゲティスバーグの戦いでは、第12軍団を率いてカルプスヒルの防御に大きく貢献しました。当初は左翼を補強するよう命じられましたが、カルプスヒルの重要性をミード少将に進言し、一部隊を残してその防衛を死守させました。その夜、南軍の猛攻を耐え抜き、翌日には失地を回復することに成功しました。しかし、この戦いでのウィリアムズの貢献は公式報告書で適切に評価されなかったとされています。

その後、ウィリアムズはアトランタ方面作戦にも参加し、多くの戦闘で功績を挙げました。ニューホープ教会の戦いでは腕を負傷しましたが、シャーマンの海への進軍からカロライナ方面作戦まで戦い続けました。これらの作戦では第20軍団を率い、その軍事的才能を遺憾なく発揮しました。1865年1月12日には、少将への名誉昇進を果たしました。

戦争と愛馬

南北戦争中、ウィリアムズは「ヨークシャー」と「プラグアグリー」という2頭の愛馬を持っていました。特にプラグアグリーは、チャンセラーズヴィルの戦いで砲弾の爆風で吹き飛ばされながらも無事だったという逸話があります。しかし、プラグアグリーは最終的に使い物にならなくなり、1864年に売却されました。

戦後の人生と遺産

戦後、ウィリアムズはアーカンソー州で軍事管理官を務めた後、1866年に退役しました。その後、サンサルバドル駐在のアメリカ合衆国大使を務め、1870年にはミシガン州知事選に出馬しましたが、落選しました。民主党員としてアメリカ合衆国下院議員に選出され、1875年から1878年まで務めました。下院議員時代には、コロンビア特別区委員会の委員長を務めました。

ウィリアムズは、1878年12月21日に脳卒中で亡くなり、デトロイトのエルムウッド墓地に埋葬されました。

ウィリアムズは、その功績にもかかわらず、大衆の認知度は高くありませんでした。これは、彼が陸軍士官学校出身でなかったこと、ポトマック軍形成時にシェナンドー渓谷にいたこと、そして自己宣伝を好まなかったことが要因と考えられています。

しかし、ウィリアムズは家族との手紙をよく残しており、これらの手紙は1959年に『大砲の口から：アルフェウス・S・ウィリアムズ将軍の南北戦争時の手紙』として出版され、高い評価を得ています。

彼の功績を称え、故郷デトロイトのベルアイルには彼の騎馬像が、ゲティスバーグ国立戦場公園にはウィリアムズ・アベニューが建設されました。

アルフェウス・スターキー・ウィリアムズは、その多才な能力と軍事的才能によって、アメリカの歴史に名を刻んだ人物です。

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