アルフォンソ2世 (アラゴン王)

アルフォンソ2世の生涯と業績

アルフォンソ2世（1157年 - 1196年）は、アラゴン王国およびバルセロナ伯として知られています。彼は1162年に父ラモン・バランゲー4世の死去により、5歳でその地位を引き継ぎました。母であるペトロニラの影響で、彼はアルフォンソという名に改名されました。

若き日のアルフォンソ

彼の治世は、彼自身の成長とともに続きました。1166年、従兄のプロヴァンス伯レーモン・ベランジェ2世が亡くなると、アルフォンソはその権利を主張し、彼の娘に替わってプロヴァンス伯に就任しました。

内政への取り組み

アルフォンソ2世は、内政において王権の強化と組織の整備に尽力しました。具体的には、貴族に対する軍事奉仕の制度を整え、領地の把握を進展させる施策を実施しました。さらに、王国の収入を安定させるために、下級騎士を登用し、租税調査を行って王権の基盤を築きました。彼の政権は、貴族への抑制を図りながら国内の平和を維持することに焦点が当てられていました。

外交と戦争

アルフォンソは、イスラム教徒の地域支配に対抗するためにさまざまな戦略を展開しました。特に、バレンシア王イブン・マルダニーシュとの緊張関係は重要な部分を占めています。彼は1170年にカスティーリャ王アルフォンソ8世との同盟を結び、1177年にはレオン王とともにムワッヒド朝の都市ロルカを攻撃しました。その後のカソーラ条約では、両勢力の影響範囲を明確に定めました。

しかし、カスティーリャとの関係が緊張する中、1191年にはポルトガル王やナバラ王と反カスティーリャ同盟を結成しました。この動きは、彼の外交的な戦略の一環として位置づけられますが、1192年にはローマ教皇の仲介によって和解しました。

家族と子孫

アルフォンソ2世は、カスティーリャ王アルフォンソ7世の娘サンチャと結婚し、数人の子供をもうけました。彼の長男ペドロ2世は、父の死後アラゴン王として即位しました。また、娘たちはハンガリー王や神聖ローマ皇帝と結婚するなど、重要な縁組を行っています。

死と後継

1196年、アルフォンソ2世は亡くなり、長男ペドロ2世が後を継ぐことになりました。彼の治世がもたらした影響は、アラゴン王国の歴史において重要な位置を占めており、政治的、軍事的な視点から今でも研究が続けられています。

参考文献

• - D.W.ローマックス著、林邦夫訳『レコンキスタ 中世スペインの国土回復運動』
• - 田澤耕『物語カタルーニャの歴史』
• - 芝修身『真説レコンキスタ』
• - 関哲行・立石博高・中塚次郎『世界歴史大系 スペイン史 1 -古代～中世-』
• - 西川和子『スペイン レコンキスタ時代の王たち 中世800年の国盗り物語』

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