アルフレッド・プレソントン

アルフレッド・プレソントンの生涯

アルフレッド・プレソントン（Alfred Pleasonton、1824年7月7日 - 1897年2月17日）は、アメリカ陸軍の職業軍人であり、南北戦争では北軍の騎兵将軍として活躍しました。特に、ゲティスバーグ方面作戦やブランディ・ステーションの戦いでの指揮が知られています。また、戦後は内国歳入庁長官を務めるなど、軍人以外にも幅広い分野で活動しました。

生い立ちと初期の経歴

プレソントンは、ワシントンD.C.で、スティーブン・プレソントンとメアリー・ホプキンス・プレソントンの息子として生まれました。父スティーブンは、米英戦争時に重要な文書を保護したことで知られていましたが、後に汚職事件に関与し、一家の評判に影を落としました。アルフレッドの兄オーガスタスは陸軍士官学校を卒業しており、その影響もあって、アルフレッドも陸軍士官学校に進学しました。

1844年に士官学校を卒業後、第1アメリカ竜騎兵隊に配属され、辺境任務に従事しました。米墨戦争では、パロ・アルトの戦いとレサカ・デ・ラ・パルマの戦いでの活躍により、大尉に名誉昇進しました。

南北戦争での活躍

1861年に南北戦争が勃発すると、プレソントンは第2竜騎兵隊と共に東部戦線に移動しました。当初は昇進が遅れましたが、1862年に准将に昇進し、ポトマック軍の騎兵旅団を指揮することになりました。アンティータムの戦いでは騎兵師団を率い、負傷しました。チャンセラーズヴィルの戦いでは、ストーンウォール・ジャクソン軍団の攻撃を一時的に阻止したと主張し、少将に昇進しました。

ゲティスバーグ方面作戦では、ブランディ・ステーションの戦いで北軍騎兵隊を指揮しました。この戦いは、南北戦争最大の騎兵戦となりました。しかし、部下からは攻撃性が低いと批判されました。また、ゲティスバーグの戦いでは、騎兵軍団の作戦本部ではなく、軍の作戦本部に留められ、ミード将軍の指揮下で行動しました。戦後、プレソントンはゲティスバーグの戦いにおける自身の役割を大きく主張しましたが、批判も多くありました。

1864年にはミシシッピ川流域戦線に転属となり、ミズーリ州での戦闘で南軍を破り、西部における南軍の脅威を終わらせました。この功績により、正規軍の准将に名誉昇進し、戦争全体の功績で少将にも名誉昇進しました。

戦後の生活

戦後、プレソントンは正規軍の名誉少将という階級を得ましたが、騎兵の恒久的少佐として除隊しました。その後、内国歳入庁長官を務めましたが、所得税の撤廃を主張し、上司と対立して解雇されました。晩年は、鉄道会社の社長を務めるなど、多様な活動を行いました。

プレソントンは1897年にワシントンD.C.で亡くなり、父と共に連邦議会墓地に埋葬されました。生前、軍葬の礼を拒否するよう求めていたとされています。また、カリフォルニア州のプレザントンやカンザス州のプレザントンは、プレソントンに因んで名付けられた地名ですが、綴りが異なっています。

人物像と評価

プレソントンは、政治的な野心家であり、自己宣伝を好む人物でした。南北戦争中には、自身の功績を誇張するような言動が目立ちました。しかし、その一方で、騎兵隊の指揮官として、一定の成果を上げたことも事実です。特に、ブランディ・ステーションの戦いでは、北軍騎兵隊が自信を持つきっかけを作りました。戦後は、内国歳入庁長官を務めるなど、軍人以外でも活躍しましたが、その行動は物議を醸すこともありました。

プレソントンは、その複雑な人物像から、様々な評価を受けています。自己中心的で野心家だったという批判がある一方で、有能な軍人であり、公務員としての能力も持ち合わせていたという評価もあります。彼の生涯は、南北戦争という激動の時代を生き抜いた一人の軍人の姿を伝えています。

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