アンドレイ・コレシュコフ

ロシア出身のプロ総合格闘家、アンドレイ・コレシュコフは、1990年8月23日にオムスク州オムスクで生を受けました。ロスファイターズ・スポーツクラブに所属し、元Bellator世界ウェルター級王者としてその名を馳せています。

コレシュコフは、ストライカーとして知られ、特に多彩な蹴り技と強烈な左フックを得意とします。その研ぎ澄まされた打撃スキルは、多くの強豪ファイターをマットに沈めてきました。

彼のキャリアは、自己防衛のために総合格闘技の世界に足を踏み入れたことから始まります。アマチュアで実績を積んだ後、2010年にプロデビューを果たしました。

世界の舞台であるBellator MMAには、2012年から参戦。同年9月28日に行われたBellator 74のウェルター級トーナメント1回戦でジョーダン・スミスと対戦し、判定3-0で勝利を収めると、続く10月26日の準決勝（Bellator 78）ではマリウス・ザロムスキーをパウンドによるKOで下し、決勝進出を決めます。そして、11月30日のBellator 82で行われた決勝戦でライマン・グッドと拳を交え、再び判定3-0で勝利。見事、Bellatorシーズン7ウェルター級トーナメントの覇者となりました。

このトーナメント優勝によって世界王座への挑戦権を得たコレシュコフは、2013年7月31日、Bellator 97で当時のBellator世界ウェルター級王者ベン・アスクレンに挑みました。しかし、このタイトルマッチではアスクレンのグラウンド＆パウンドの前に屈し、TKOでの敗戦となり、王座獲得はなりませんでした。

失意を乗り越え、コレシュコフは再び頂点を目指します。2014年3月14日のBellator 112、ウェルター級トーナメント1回戦でナフション・バレルをパウンドでKOすると、5月2日のBellator 118準決勝ではジャスティン・ベイスマンに対し、見事な跳び膝蹴りによるKO勝利を飾ります。そして、7月25日のBellator 122決勝でアダム・マクドノーを判定で破り、Bellatorウェルター級トーナメントで二度目の優勝という快挙を達成しました。

二度目のトーナメント優勝を経て、再び世界王座挑戦の機会が訪れます。2015年7月17日、Bellator 140のメインイベントで、当時のBellator世界ウェルター級王者ドゥグラス・リマと対戦。壮絶な打撃戦の末、コレシュコフが判定3-0で勝利を収め、見事第4代Bellator世界ウェルター級王者のベルトをその腰に巻きました。

王座獲得後、初防衛戦の相手として選ばれたのは、元UFC世界ライト級王者ベンソン・ヘンダーソンでした。2016年4月22日、Bellator 153で行われたこの一戦でも、コレシュコフは持ち前の打撃でヘンダーソンを圧倒。判定3-0で勝利し、初防衛に成功、王者の実力を世界に示しました。

しかし、2016年11月10日、Bellator 164で行われた二度目の防衛戦で、王座を奪取した相手であるドゥグラス・リマとの再戦が実現します。この試合では、コレシュコフはリマのカウンター攻撃を受け、パウンドによるKO負けを喫し、王座から陥落することとなりました。

総合格闘技以外でも、コレシュコフは輝かしい実績を残しています。2010年にはスポーツアコードワールドコンバットゲームズのパンクラチオン80kg級で優勝し、さらに同年に開催された第1回パンクラチオン世界選手権でも75kg級を制するなど、立ち技・組技を含む幅広い分野で才能を発揮してきました。また、近接格闘術においては「スポーツマスター」の称号も受けています。

Bellator王座からは陥落したものの、アンドレイ・コレシュコフは常にウェルター級戦線のトップレベルで戦い続けており、そのパワフルな打撃と経験に裏打ちされた戦いは、世界中のファンを魅了しています。彼のキャリアは、今後も総合格闘技の歴史に刻まれていくことでしょう。

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