アンバージャック (SS-219)

USS Amberjack (SS-219)

USS Amberjack（SS-219）は、アメリカ海軍のガトー級潜水艦の一隻であり、艦名はカンパチやブリ類を指します。この艦は1941年5月15日にコネチカット州グロトンのエレクトリック・ボート社で建造を始め、1942年6月19日に就役しました。スムーズな整調の後、アンバージャックは太平洋へと進出しました。

艦歴

第1の哨戒 （1942年9月 - 10月）

1942年9月、アンバージャックは最初の哨戒任務でビスマルク諸島およびソロモン諸島に向かいます。この任務中、駆逐艦および大型輸送船との接触があり、魚雷攻撃を実施しました。特に9月15日にはカビエンの偵察を行い、続いて9月18日には護衛を受けた大船団に遭遇し、魚雷を発射。さらに9月19日は特設運送船「しろがね丸」を発見し、攻撃し大破させました。この成果が評価され、アンバージャックは殊勲部隊章を受賞しました。

9月25日には、日本艦艇と接触し、大型巡洋艦の発見に成功しましたが、攻撃する前に潜航を余儀なくされました。その後も偵察任務を続け、10月7日には特設運送船「鮮海丸」を沈める成果を上げました。最終的にアンバージャックは10月30日にブリスベンに戻り、57日間の任務を終えます。

第2の哨戒 （1942年11月 - 1943年1月）

11月21日、アンバージャックは2回目の哨戒任務で再びソロモン諸島方面へ出発。この回の任務では敵の駆逐艦と接触し、攻撃を試みましたが、命中には至りませんでした。同年の最終日には大型輸送船に接近するも攻撃の機会を失します。1943年1月にはブリスベンに帰投し、51日間の行動が終わりました。

第3の哨戒 （1943年1月 - 2月）

1月24日、アンバージャックは3回目の哨戒任務に出発しましたが、故障でブリスベンに戻ることになります。修理後に再出撃を果たし、トレジャリー諸島で敵潜水艦やスクーナーを発見し、攻撃成功の報告を行います。しかし、その後の通信で敵駆逐艦に視認され、潜航を余儀なくされた結果、最終的には連絡が途絶えるに至ります。アンバージャックは1943年3月22日に喪失が公式に推定されました。

アンバージャックの最期

アンバージャックの最後の通信が途切れた後、1943年2月16日に入った報告によると、敵艦艇により攻撃を受けた可能性が高いとされています。多くの証拠から、この攻撃により沈没したと見られていますが、同時期に別の潜水艦の喪失があったため、直接的な証明は難しい状況です。

アンバージャックは戦争中に3個の従軍星章を受章し、合わせて3隻の船を沈めたとされています。その戦功は、アメリカ海軍の潜水艦作戦において重要な位置を占めています。真珠湾では、戦死した艦員に因んでレクリエーションセンターが命名されるなど、その存在は現在も多くの人に記憶されています。アンバージャックの艦名はその後、テンチ級潜水艦に受け継がれました。

もう一度検索