アームストロング・シドレー ヴァイパー

ヴァイパーエンジンの概要

ヴァイパー（Viper）は、イギリスのアームストロング・シドレーによって開発されたターボジェットエンジンで、その後継企業であるブリストル・シドレーおよびロールス・ロイスによって製造されました。このエンジンは1953年から航空機のエンジンとして使用され、2011年1月まで現役で運用されました。

設計と開発

ヴァイパーは、7段の圧縮機を備えた設計が特徴です。このエンジンは、同社のアダーエンジンを基にしており、同様の性能を持つアメリカ製のゼネラル・エレクトリック J85ターボジェットエンジンの拡張版として改良されました。

当初、ヴァイパーはGAF ジンディビック無人標的機用の使い捨てエンジンとして設計されましたが、最終的には有人航空機用にも適応され、高品質で標準化された潤滑方式が採用されました。この変更によって、寿命の短い部品やトータルロス式の潤滑方式が改善され、航空機の信頼性を向上させました。

展示および使用航空機

現在、ヴァイパーエンジンは以下の博物館で展示されています:

• - Midland Air Museum
• - Royal Air Force Museum Cosford
• - Solent Sky
• - Aeroventure, South Yorkshire Aircraft Museum
• - South African Air Force Museum Port Elizabeth

また、ヴァイパーエンジンは多くの航空機に搭載され、特に以下の機体での使用が確認されています:

• - イギリス

- アブロ シャクルトン
- BAC ジェット・プロヴォスト
- BAC 167 ストライクマスター
- ホーカー・シドレー HS.125
- ハンドレページ HP.115
- サンダース・ロー SR.53

• - インド

- HJT-16 キランMk.1

• - イタリア

- アエルマッキ MB-326
- アエルマッキ MB-339
- ピアッジョ PD.808

• - ルーマニア

- IAR 99 ショイム
- IAR 93 ヴュルチュル

• - ユーゴスラビア

- ソコ G-2 ガレブ
- ソコ J-21 ヤストレブ
- ソコ G-4 スーパーガレブ
- SOKO J-22 オラオ

• - アメリカ

- ベル X-14

• - オーストラリア

- GAF ジンディビック

性能と仕様

ヴァイパーエンジンの主な仕様は以下の通りです:

• - 形式: ターボジェット
• - 全長: 1625 mm (64.0 in)
• - 直径: 624 mm (24.55 in)
• - 乾燥重量: 249 kg (549 lb)
• - 圧縮機: 7段軸流式
• - 燃焼器: 環状、24基
• - タービン: 1段
• - 使用燃料: ジェット燃料
• - 潤滑システム: 廃油、定量式
• - 推力: 1225 kg (2700 lb) / 13,800 rpm
• - 全圧縮比: 4.3:1
• - 空気流量: 20 kg/sec (44 lb/sec)
• - 燃料消費率: 1.09 lb/hr/lb
• - 推力重量比: 4.9:1

このような多様な性能を持つヴァイパーエンジンは、数多くの航空機に幅広く利用され、飛行技術の発展に貢献しました。

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