アーモンドビスケット

アーモンドビスケット（Almond biscuit）

アーモンドビスケットは、中国の干菓子の一種で、別名杏仁餅やアーモンドケーキとも呼ばれます。緑豆を主原料としていて、洋菓子のクッキーとは異なる製法で作られています。このビスケットの起源は1918年、広東省香山県（現在の中山市）に遡ります。最初に開発したのは「咀香園」という菓子店で、従来の落雁を改良する形で新たな菓子として誕生しました。

歴史的背景

アーモンドビスケットは、リョクトウを蒸して粉末にし、砂糖と共に混ぜて木製の型に入れる製法で作られました。型の中には甘く味付けされた豚肉が挟まれており、これを突き固める工程が特徴です。初期のアーモンドビスケットは、杏仁の形をしているため、「杏仁餅」という名前が付けられたものの、実際にはキョウニン（杏の種）やアーモンドは使われていませんでした。

ビスケットが発展する過程で、さまざまな改良が行われ、特に香ばしさや風味が増すよう工夫されています。現在のアーモンドビスケットは、砕いたアンズの種であるキョウニンや植物油が加えられ、加熱乾燥させることによって、円盤状の形状に仕上げられることが一般的です。味わいは、キョウニンの香ばしさと杏仁豆腐の風味が見事に絡み合い、食感は若干のパサつきがあるのが特徴です。

マカオでの人気

この菓子は、マカオにもその製法が伝わり、現在ではマカオを代表する土産菓子の一つとされています。特に聖ポール天主堂跡周辺の通りには、多数の露店が並び、アーモンドビスケットを販売しています。また、タイパ島の官也街では、各露店が独自に製作したビスケットを販売しており、訪れる観光客にとって見逃せないスポットとなっています。さらに、マカオ観光情報局の公式サイトでも、観光客に人気の土産物としてアーモンドビスケットが紹介されており、有名ブランドとして「鉅記餅家」が挙げられています。

購入場所と流通

アーモンドビスケットは、香港や広州市などでも入手可能であり、中国国外の一部中華街のパン屋などでも販売されています。海外市場でのアーモンドビスケットは、主にマカオで製造されたものが多いですが、広東省産のものも少なくありません。こうした広がりが、この伝統的な干菓子の人気を証明しています。

アーモンドビスケットは、ほんのりとした甘さと香ばしい香りが魅力の一品であり、旅行のお土産としても非常に喜ばれるスイーツです。

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