中山市

中山市：孫文の故郷、珠江デルタの躍進都市

中山市は、中華人民共和国広東省に位置する地級市です。珠江デルタの中南部に位置し、広州市、仏山市、江門市、珠海市と隣接しており、珠海市を挟んで深圳市、香港特別行政区とも近接しています。

地名の由来と歴史

中山市の地名は、辛亥革命の指導者であり、中華民国初代臨時大総統である孫文の出身地に由来しています。孫文の号が「中山」であったことから、この名が付けられました。

古くは香山県と呼ばれていましたが、1925年に孫文を顕彰して中山県と改称されました。1983年には仏山市管轄の県級市として中山市となり、1988年には地級市に昇格しました。

行政区画

中山市は、県級行政区を持たず、市政府直轄の8街道と15鎮、さらに火炬高技術産業開発区と翠亨新区から構成されています。街道と鎮は、それぞれ市の中核となる地域と、周辺の地域を管轄しています。

経済発展

1970年代後半までは農業中心の経済でしたが、中国の経済改革開放政策以降、急速な発展を遂げました。香港やマカオとの地理的近さを活かし、外資を積極的に誘致。繊維、衣類、ハードウェアなどの伝統産業に加え、バイオエンジニアリングや電子情報などのハイテク産業も発展しています。

1980年代後半には、東莞市、仏山市南海区、仏山市順徳区と共に「広東の四虎」と呼ばれ、経済成長を牽引しました。国営企業の改革を経て、現在は外資系企業や民間企業が経済の中心を担っています。2014年のGDPは2823億元、一人当たりGDPは88953元に達しています。

交通

中山市は、鉄道、道路、航路と多様な交通手段が整備されています。

鉄道: 広珠都市間鉄道が運行。
道路: 広澳高速道路、珠三角地区環状高速道路、深岑高速道路、広中江高速道路、西部沿海高速道路、広珠西線高速道路などの高速道路網が整備され、G105国道も通っています。
* 航路: 中山港から香港尖沙咀港、香港国際空港への航路があり、香港へのアクセスも容易です。

文化

中山市では、広東語が主要言語ですが、客家語や閩南語を話す地域もあります。広東語だけでも、「石岐話」、「沙田話」、「三角話」、「古鎮話」など、地域差のある方言が存在します。

食文化は順徳料理系の広東料理が中心ですが、客家料理も盛んです。「石岐乳鴿」や「缽仔禾蟲」などの郷土料理が有名です。近年は、香港式の茶餐庁や、他の地方料理を提供する飲食店も増加しています。

観光

中山市には、孫文の旧居である中山故居や、孫中山故居紀念館、岐江公園、中山城、嶺南水郷、詹園など、歴史と文化に触れられる観光スポットが数多くあります。

姉妹都市

中山市は、日本、アメリカ、オーストラリア、メキシコなど、世界各国と姉妹都市提携を結んでいます。守口市（日本）、ホノルル（アメリカ）、アラメダ郡（アメリカ）、ケアンズ（オーストラリア）、クリアカン（メキシコ）など。

まとめ

中山市は、歴史と現代が融合した魅力的な都市です。孫文の出身地としての歴史的意義、珠江デルタという立地条件を活かした経済発展、多様な文化、そして活気あふれる国際交流は、中山市の大きな魅力となっています。今後も、更なる発展が期待される都市です。

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