イズマッシュ・サイガ12とは？意味をやさしく解説

イズマッシュ・サイガ12

イズマッシュ・サイガ12（IzhMash Saiga 12）は、ロシアのイズマッシュ社（現カラシニコフ・コンツェルン）が開発した、12ゲージのセミオートマチック散弾銃です。AK-47の構造をベースとしており、民間用、警備会社、法執行機関での使用を想定して設計されています。

概要

サイガ12は、世界的に有名なAK-47の設計思想を受け継いでおり、内部機構のガス圧ロータリーシステムはAK-47と類似しています。AK-47をベースにしているため、高い耐久性と信頼性を持ち、モデルによっては狙撃用光学照準器を装着することも可能です。ボックスマガジンを使用し、装弾数も確保できるため、散弾銃を使用したマッチレースなどでも注目されています。

日本国内でも所持が可能なモデルも存在しますが、それらは通常、曲銃床の形式で設計されています。ただし、国内の法律の関係で、弾倉の装弾数は2発に制限されています。一部の所持者の中には、操作性向上のためにSVDタイプのストックに改造する例も見られます。

イズマッシュ社は、サイガ12以外にも、AKS-74Uのような外観を持つ軍用散弾銃KS-Kを開発しています。また、同じシリーズとして、サイガという名前のハンティング用セミオートライフルも販売しており、7.62x39mm弾、.223Rem、5.6х39mm弾、.308Win、9x53mmR弾など、様々な口径のモデルが存在します。

サイガ12と並び、ロシア製の散弾銃として知られるのが、モロト工場がRPK軽機関銃をベースに開発した「ヴェープル12モロト」です。

バリエーション

サイガシリーズは、主に「isp」とそれに続く数字でモデル番号が区別されます。また、「S」や「K」などの符号があり、それぞれ異なる特徴を表しています。

S: 銃床が折りたたみ可能で、ロシアの銃規制に合わせて銃身が延長された仕様
K: カービン仕様で、銃床は折り畳めますが、折り畳んだ際に安全装置が作動し射撃ができないようになっている仕様

以下に、代表的なバリエーションをいくつか紹介します。

サイガ-12: 基本モデル (12ゲージ)
サイガ-12S isp.10: 680mmの銃身と折りたたみ可能な銃床を備えたS仕様
サイガ-12K isp.10: 430mmの銃身と折り畳んだ際に安全装置が作動する銃床を備えたK仕様
サイガ-12K isp.030/サイガ-12K isp.30: AK-74Mのハンドガードと銃床を使用し、マガジンの保持方法を変更、ピカティニーレールを装備したモデル。SVDSタイプの銃床を持つモデルも存在
サイガ-12S 18.5 KS-K: 法執行機関、軍向けモデルで、銃床を折り畳んだ際の安全装置が削除
サイガ-12S EXP-01: 海外輸出向けモデルで、430mmのカービン銃身を備え、銃床を折り畳んだ際の安全装置はない
サイガ-12S isp.031: サイガ-12K isp.030の銃身を延長し、銃床を折り畳んでも射撃できるようにしたモデル
サイガ-12K isp.033: サイガ-12K isp.030のカービン仕様。SVDSタイプの銃床を持つモデルも存在
サイガ-12K isp.043: サイガ-12K isp.10のアイアンサイトを変更し、マガジンキャッチを備えたモデル
サイガ-12 isp.061: 580mmの銃身と折りたたみができない銃床を備えた通常仕様

(その他多数のバリエーションが存在します。)

その他の口径

サイガシリーズには、12ゲージ以外にも、20ゲージや.410ゲージのモデルが存在します。

サイガ-20: 20ゲージモデル
サイガ-410: .410ゲージモデル。訓練やホームガード用途として販売された、シリーズ最初のモデル

イズマッシュ・サイガ12