イワタバコ科

イワタバコ科について

イワタバコ科（イワタバコか、Gesneriaceae）は、双子葉植物の一群であり、シソ目に属している重要な系統です。かつてクロンキスト体系ではゴマノハグサ目に分類されていましたが、現在はシソ目として認識されています。世界中、特に熱帯および亜[[熱帯]]地域に広がるこの科は、約150から160の属、さらに2000から3200種類の植物を包含する大規模なものです。日本でも、イワタバコなどの自生種が確認されています。

分類と形態

イワタバコ科の植物は、主に多年生の草本が大半を占めていますが、ごく一部には低木や稀に高木の個体も存在します。また、Microchirita属などの一年生植物や、Streptocarpus属の単葉種といった一稔性の草本も見られます。特異な特徴として、いくつかの種は岩場や他の樹木に着生することもあります。

この科の花は、合弁花と呼ばれ、花弁が合着しており、通常5つに裂ける形をしています。さらに、イワタバコ科は3つの亜科に分けられており:

• - Cyrtandroideae：アジアやアフリカに分布し、82属、約1900種を持つ。
• - Coronantheroideae：チリ南部とオーストラリアに生育し、9属、約20種。
• - Gesnerioideae：中南米や西インド諸島に分布し、62属、約1050種を含む。

園芸種の魅力

イワタバコ科からは、アキメネス、グロキシニア、セントポーリア、ストレプトカーパスなど、観賞用として特に人気のある美しい花が多く栽培されています。これらの園芸種は、デザインや美しさ尋常であり、鉢物や花壇に多く利用されていますが、中には温度変化に敏感なセントポーリアのようなものも存在します。

繁殖方法としては、葉挿しや挿し木が一般的に行われますが、実生での繁殖も可能です。ただし、原種から育てた場合、親と異なる花が咲く可能性が高くなります。また、セントポーリアの縞花のように特殊な環境でのみ維持される形質を持つ植物もあり、これには独自の繁殖技術が必要です。

日本のイワタバコ科

日本国内では、特に以下の種が見られます。この中で普及しているのはイワタバコだけであり、シシンランは稀少な着生植物です。それ以外の種類は南西諸島での生息が中心となります。特に、イワギリソウは環境省のレッドデータブックで絶滅危惧IB類に、またナガミカズラは絶滅危惧IA類に指定されています。

• - イワギリソウ属 (Opithandra) - 最新の研究でOreocharis属に統合。
• - イワタバコ属 (Conandron) - イワタバコ。
• - シシンラン属 (Lysionotus) - シシンラン。
• - ツノギリソウ属 (Hemiboea) - ツノギリソウ。
• - ナガミカズラ属 (Aeschynanthus) - ナガミカズラ。
• - マツムラソウ属 (Titanotrichum) - マツムラソウ。
• - ミズビワソウ属 (Cyrtandra) - ミズビワソウ。
• - ヤマビワソウ属 (Rhynchotechum) - ヤマビワソウ。

これらの植物は、それぞれ独自の環境条件や特性を有し、日々の生活に彩りを加えています。興味のある方は、是非植栽を検討してみてはいかがでしょうか。

もう一度検索