インリアリティ

インリアリティ：競走馬から種牡馬へ至る伝説

インリアリティ (In Reality) は、アメリカ合衆国で活躍したサラブレッド競走馬にして、その名を後世に残す種牡馬です。1964年、フロリダ州で誕生しました。父は1959年のアメリカ最優秀スプリンター、インテンショナリー。母はフリゼットステークスを制したマイディアガールという、恵まれた血統を受け継いでいました。

競走馬としてのデビューは2歳(1966年)。ピムリコフューチュリティステークス優勝という華々しいスタートを切りますが、この年からライバルとしてアメリカ競馬史に名を刻むドクターフェイガーとの対戦が始まりました。カウディンステークスではドクターフェイガーに敗れ、3歳シーズンも主要競走では善戦するものの、ドクターフェイガーには敵わず、ニューハンプシャースウィープステークスハンデキャップなど複数回対戦し、いずれも敗北を喫しています。ただし、ジャージーダービーではドクターフェイガーの降着によって優勝という結果を得ています。

さらに、同世代最強馬の1頭であるダマスカスとも幾度となく対戦。プリークネスステークスでは2馬身1/4差の2着、アメリカンダービーでは7馬身差の大敗を喫するなど、この馬にも一度も先着することができませんでした。

4歳シーズンは、ドクターフェイガーとダマスカスが西海岸を主戦場にしたため、直接対決はなくなりました。その結果、インリアリティはメトロポリタンハンデキャップやカーターハンデキャップといった東海岸の主要競走を制覇し、その実力を遺憾なく発揮しました。

種牡馬としての成功と偉大な貢献

競走馬を引退したインリアリティは種牡馬として、競走馬時代をはるかに凌駕する成功を収めます。1977年には、アメリカ2歳リーディングサイアーに輝くなど、その能力の高さを証明しました。マンノウォーを祖とするインテント系の血統を持つインリアリティは、この系統の拡大に大きく貢献しました。

インリアリティ産駒の中でも特に有名なのが、1970年生まれの牝馬デザートヴィクスンです。グレード制施行直後の1973年からG1競走を6勝、ベルデイムステークスでは名牝スーザンズガールを破るなど、輝かしい戦績を残しました。そして、1972年にはアメリカ殿堂入りを果たす栄誉に浴しました。

さらに、インリアリティは優れた種牡馬を輩出する「種牡馬の種牡馬」としても成功を収めています。1976年生まれのリローンチと1977年生まれのノウンファクトは、後継種牡馬として活躍し、それぞれオナーアンドグローリーやウォーニングといった名馬を輩出しました。

競走馬としても、プロパーリアリティ（アーカンソーダービー、メトロポリタンハンデキャップ優勝）、スマイル（ブリーダーズカップ・スプリント優勝、1986年アメリカ最優秀スプリンター）などが活躍しました。

日本競馬への影響

インリアリティは、母の父としても大きな影響を与えました。日本でリーディングサイアーとなったリアルシャダイは、デザートヴィクスンの産駒です。また、インリアリティを母父に持つ馬には、ブリーダーズカップ・ジュヴェナイルフィリーズ優勝馬メドウスター、ベルデイムステークス優勝馬サラトガデュー、ベルモントステークス優勝馬コメンダブルなどがいます。

まとめ

インリアリティは、競走馬としてはドクターフェイガーやダマスカスに阻まれた部分もありましたが、その卓越した能力は種牡馬として開花しました。数々の名馬を輩出し、インテント系の発展に大きく貢献し、その血統は日本競馬にも大きな影響を与えました。競走馬としての華麗な戦績と種牡馬としての絶大な成功、そして日本競馬への貢献は、インリアリティの偉大さを物語っています。その血統は今もなお、世界中の競馬界で脈々と受け継がれています。

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