イヴァン・アセン3世

イヴァン・アセン3世（1259年/1260年 - 1303年）は、第二次ブルガリア帝国の皇帝でした。父はコンスタンティン・ティフと帝位を争ったミツォ・アセン、母はイヴァン・アセン2世の娘マーリアです。

生涯

1277年、イヴァイロの農民反乱により帝位が脅かされる中、東ローマ帝国皇帝ミカエル8世はイヴァン・アセン3世を宮廷に迎え、デスポティスの称号を与え、娘イリニを嫁がせました。そして、彼をブルガリア皇帝として擁立するため、軍隊を付けて送り込みました。

東ローマ帝国の軍勢はイヴァイロ軍に敗北しますが、イヴァン・アセン3世はミカエル・グラバスに付き添われヴァルナに上陸。ジョチ・ウルスの軍がドルスタルを包囲する間に、タルノヴォではイヴァイロ戦死の噂が流れ、貴族たちは1279年にイヴァン・アセン3世を皇帝に選びました。

即位後、彼は妹マリアをゲオルギ・テルテルに嫁がせ、地位を固めようとしましたが、国内での影響力は限られていました。イヴァイロがタルノヴォに現れ東ローマ帝国の援軍を破ると、貴族の支持を失い、イヴァン・アセン3世は財宝を持ち出してタルノヴォを脱出。メセンブリアを経てコンスタンティノープルへ逃れましたが、ミカエル8世はすぐに受け入れませんでした。

1280年、彼はジョチ・ウルスの有力者ノガイに支援を求めましたが、同じく支援を求めていたイヴァイロをノガイが殺害。結局、イヴァン・アセン3世が再び帝位に就くことはなく、トローアドで没しました。

イヴァン・アセン3世とイリニの子孫は東ローマ帝国の有力貴族アサン家として繁栄し、ヨハネス6世カンタクゼノスの妃イリニや、ヨハネス5世パレオロゴスの妻ヘレネを輩出しました。

家族

イリニとの間には、以下の7人の子供がいました。

ミカエル
アンドロニコス - ペロポネソスの統治官。娘イリニはヨハネス6世カンタクゼノスの妻。
イサク
マヌエル
コンスタンティン
テオドラ
* マリア

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