ウイルバー・スナイダー

ウイルバー・スナイダー：不屈の魂を持つ「原爆男」

ウイルバー・スナイダー（Wilbur Snyder、1929年9月15日 - 1991年12月25日）は、アメリカ合衆国カリフォルニア州サンタモニカ出身のプロレスラー。その強靭な肉体とファイトスタイルから、日本では「原爆男」の異名で恐れられた。息子のマイク・スナイダー、娘婿のスティーブ・リーガルもプロレスラーというプロレス一家でもある。

スポーツエリートからプロレスラーへ

高校時代からフットボールとアマチュアレスリングに打ち込み、ユタ州立大学卒業後にはNFLのロサンゼルス・ラムズに入団。その後、CFLのエドモントン・エスキモーズにも在籍し、スポーツエリートとしての道を歩んでいた。エドモントン・エスキモーズには、後にプロレスラーとなるジン・キニスキーもチームメイトとして在籍していた。

1952年、ロサンゼルスでヒュー・ニコルズにスカウトされ、プロレスラーとしてのキャリアをスタート。翌1953年には、ミスター・モトを破りカリフォルニア・ヘビー級王座を奪取。その才能を開花させた。

数々のタイトルを獲得

1956年には、バーン・ガニアを破りNWA・USヘビー級王座を獲得。1958年には、AWA世界ヘビー級王座（オマハ版）も手にした。1961年には、レオ・ノメリーニとのタッグでAWA世界タッグ王座を獲得するなど、数々のタイトルを獲得し、その名を轟かせた。

日本での活躍

1966年、日本プロレスに初来日。第8回ワールドリーグ戦では決勝でジャイアント馬場に敗れたものの、その実力は日本のファンにも強く印象付けられた。1969年には、ダニー・ホッジとのタッグでジャイアント馬場&アントニオ猪木のBI砲を破り、インターナショナル・タッグ王座を奪取。日本でも確固たる地位を築いた。

ジャイアント馬場はスナイダーの実力を高く評価しており、全日本プロレス旗揚げ後すぐに招聘している。しかし、その頃には既にプロレスラーとしてのピークを過ぎており、馬場は「全盛期に日本のプロレスファンにもっと見てもらいたかった」と語っている。BI砲からインター・タッグ王座を奪取した外国人チームは他にもディック・ザ・ブルーザー&クラッシャー・リソワスキー、ドリー・ファンク・ジュニア&テリー・ファンクがいるが、スナイダー&ホッジは急造タッグでの王座奪取であり、このことからもスナイダーのポテンシャルの高さが窺える。

プロモーターとしての才能も発揮

リング上での活躍にとどまらず、インディアナ州インディアナポリスでは、ディック・ザ・ブルーザーと共にWWAを運営するなど、プロモーターとしての才能も発揮した。引退後はシカゴで余生を過ごし、1991年に白血病のためフロリダ州ポンパノビーチで死去。62歳という若さだった。

主要な得意技

ドロップキック
コブラツイスト
パイルドライバー

獲得タイトル

AWA世界タッグ王座：4回
AWA USヘビー級王座：2回
NWAインターナショナル・タッグ王座：1回
* WWA世界タッグ王座：13回

ウイルバー・スナイダーは、その類まれなる才能と不屈の精神で、プロレス史に名を刻んだ偉大なレスラーである。

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