ウェイン・エンブリー

ウェイン・エンブリーは、1937年生まれ、オハイオ州出身の元NBA選手であり、引退後はエグゼクティブとしても活躍しました。ここでは彼の輝かしいキャリアを詳細に紹介します。

選手キャリア

マイアミ大学ではキャプテン、スコアリングリーダーとして活躍し、2度オールアメリカに選出。経営管理学と科学の学位を取得後、1958年のNBAドラフトでセントルイス・ホークスから指名を受けNBA入り。

しかし、ホークスでプレイすることはなく、シンシナティ・ロイヤルズでルーキーイヤーを迎えます。当時、ロイヤルズはエースのモーリス・ストークスの事故による引退など、チーム状況は危機的状況でした。ホークスからロイヤルズに無償で譲渡された5選手の中にエンブリーが含まれており、彼は新エースのジャック・トゥィマンと共にチームを支え、1年目から10.6得点9.5リバウンドを記録します。

1960年、オスカー・ロバートソンの入団がエンブリーとロイヤルズにとって大きな転機となります。エンブリー自身も14.4得点10.9リバウンドと初のダブル・ダブルを達成し、オールスターにも選出。ロバートソンの加入によりチーム成績も向上し、プレーオフ進出も果たしました。1961-62シーズンにはキャリアハイとなる19.8得点13.0リバウンドを記録。1963-64シーズンにはチーム記録となる55勝をあげ、エンブリーはキャリアの絶頂期を迎えます。

しかし、1965-66シーズンを最後に、8シーズン在籍したロイヤルズからボストン・セルティックスへ移籍。セルティックスでは出場機会が限られましたが、1967-68シーズンには念願の優勝を経験。ラストシーズンはミルウォーキー・バックスで過ごし、1969年に現役を引退しました。

エグゼクティブキャリア

引退後、エンブリーはNBAのエグゼクティブとして、約30年に渡り活躍します。1972年にはバックスで黒人初のゼネラルマネージャーに就任。GM就任前には、元チームメイトのオスカー・ロバートソンをバックスへ移籍させることに成功し、チームは創部3年目にしてNBA最短記録で初優勝を果たしました。バックスのGMを8年間務め、その間チームは59勝以上を2回、プレーオフ進出4回、NBAファイナル進出1回を記録しています。

1985年から1992年まではクリーブランド・キャバリアーズの球団副社長兼GMに就任。1994年にはNBA初の黒人球団社長となりました。彼の経営の下、キャバリアーズは90年代のイーストを代表する強豪チームへと成長し、マイケル・ジョーダン率いるシカゴ・ブルズと数々の名勝負を繰り広げました。エンブリーは1992年と1998年にNBA最優秀役員賞を受賞しています。

業績

NBAファイナル制覇：1968年
オールスター選出：1961年～1965年
クリーブランドスポーツ殿堂入り
オハイオ州クラーク群殿堂入り
* バスケットボール殿堂入り

ウェイン・エンブリーは、選手として、そしてエグゼクティブとして、NBAに多大な貢献を果たした人物として、その名が刻まれています。

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