ウォータールー駅

ロンドン・ウォータールー駅：ロンドンの心臓部を支える歴史的ターミナル

ロンドン・ウォータールー駅は、イギリスの首都ロンドン中心部、サウスバンク地区に位置する大規模な鉄道複合ターミナルです。その規模はイギリス最大級を誇り、日々膨大な数の乗降客を処理しています。テムズ川に近い立地も特徴で、ロンドンの主要交通網の中枢として重要な役割を果たしています。

多様な路線と接続

ウォータールー駅は、単なる鉄道駅にとどまりません。ナショナルレールのサウス・ウェスタン・レールウェイが運行するイングランド南西部方面への路線のほか、ロンドン地下鉄のノーザン線、ジュビリー線、ベーカールー線、ウォータールー＆シティ線が乗り入れています。さらに、隣接するウォータールー・イースト駅からは、サウスイースタンが運行するイングランド南東部方面への列車が発車します。これら複数の交通機関が接続することで、市内外へのアクセスが容易になり、ロンドンの交通の要衝として機能しています。

駅構内には象徴的な4つの大きな時計があり、待ち合わせ場所として広く利用されています。「ウォータールー駅の時計の下」で会う約束は、ロンドンっ子にとって定番の待ち合わせスポットと言えるでしょう。

歴史と変遷

1848年、ロンドン・アンド・サウス・ウェスタン鉄道によって「ウォータールー橋駅」として開業しました。駅名は、テムズ川に架かるウォータールー橋に由来し、ワーテルローの戦いを記念して名付けられたものです。当初は暫定的なターミナル駅として設計され、その後利用客の増加に伴いプラットフォームが増設されていきましたが、その結果、駅構内は複雑で分かりにくい迷路のような構造になっていきました。

1898年、地下鉄ウォータールー駅の開業によりシティ・オブ・[[ロンドン]]への直通ルートが確保されると、駅舎の全面改築が決定。1903年から1922年にかけての大規模な改築工事が行われ、現在の244mものコンコースと21のプラットホームを持つ駅へと生まれ変わりました。改築工事中には第一次世界大戦を経験し、駅舎のメインエントランス上部には戦勝記念碑「ヴィクトリー・アーチ」が設置されました。

第二次世界大戦中の空襲被害、戦後の国有化を経て、1967年には蒸気機関車の運行が終了。その後、1990年代の国鉄民営化を経て、現在に至っています。2008年には、2000万ポンドを投じて自動改札機が導入されるなど、近代化も進められています。

ユーロスターとロンドン・ネクロポリス鉄道

ウォータールー駅は、かつてユーロスターのロンドン側のターミナル駅（ウォータールー国際駅）も擁していました。1994年から2007年まで、パリやブリュッセルへの国際列車が発着していましたが、2007年にセント・パンクラス駅へ移転しました。ウォータールー国際駅の建築は高く評価され、数々の賞を受賞しました。

さらに、興味深い歴史として、1853年から1941年まで、ウォータールー駅に隣接してロンドン・ネクロポリス鉄道のロンドン・ネクロポリス駅が存在していました。この駅は、郊外のブルックウッド墓地への遺体輸送と旅客輸送を担っていましたが、空襲により破壊され廃駅となりました。

文化とメディアへの影響

ウォータールー駅は、その歴史と独特の雰囲気から、数々の映画や音楽作品にも登場しています。映画『哀愁』、『ボーン・アルティメイタム』、そしてキンクスの楽曲「ウォータールー・サンセット」など、様々な作品にインスピレーションを与え続けています。

まとめ

ロンドン・ウォータールー駅は、単なる交通拠点を超え、ロンドンの歴史、文化、そして人々の生活を象徴する場所です。その複雑な歴史、多様な路線、そして周辺の施設との関わりは、ロンドンの発展と深く結びついています。今後とも、ロンドンの心臓部として、人々の移動を支え続けることでしょう。

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