ウクライナ領土防衛部隊外国人軍団

ウクライナ領土防衛部隊外国人軍団

ウクライナ領土防衛部隊外国人軍団は、2022年ロシアのウクライナ侵攻に伴い、ウクライナ領土防衛隊内に編成された外国人部隊です。この部隊は、ウクライナ軍の戦力補強として、世界各国から集まった義勇兵で構成されています。

概要

ウクライナ軍は、以前から外国人の入隊を許可しており、2014年のドンバス戦争では、多数の義勇兵部隊を編成しました。これらの部隊には、ウクライナ国民の部隊の他、ジョージア人やアメリカ人など、様々な国籍の義勇兵が参加していました。ドンバス戦争後、一部の部隊は正式にウクライナ軍に編入されました。

2022年2月、ロシアがウクライナへの侵攻を開始すると、ウクライナのゼレンスキー大統領は海外の志願者からなる外国人部隊を編成すると発表しました。世界各国のウクライナ大使館や領事館で応募を受け付け、選考を行っています。

ウクライナ外務大臣によると、2022年3月6日時点で、52カ国から約2万人の志願兵がウクライナに到着しています。彼らはウクライナ軍の認識票を与えられ、正規の兵士と同等に扱われます。

任務

外国人軍団の任務は明確に定義されていませんが、ウクライナ軍と共に前線で戦う他、医療訓練などの後方支援も担当すると考えられています。

組織

軍団の参加者は、国籍や民族ごとに部隊を構成しています。この組織は「A3449」系列とも呼ばれています。

装備

装備は現地で支給されますが、武器以外の物資は個人で調達する人もいます。一部の部隊には、対戦車兵器NLAWの訓練も行われています。

国際社会の反応

ロシア

ロシア国防省は、ウクライナ軍の指揮下にある外国軍や義勇兵は、捕虜として拘束された場合、他のウクライナ兵と同様には扱わないと警告しています。ロシアは捕虜の待遇に関する条約（ジュネーブ諸条約）には署名していますが、傭兵に関する条約には署名していません。しかし、ロシア国内からも反プーチン政権派や、ウクライナ側に転向した元ロシア軍兵士も義勇兵として参加しています。

ロシア国防省は、2022年6月17日にウクライナ側の外国人戦闘員のリストを発表しました。それによると、64カ国から6956人が参加しており、1956人が死亡、3221人が残っているとのことです。

アメリカ

アメリカ合衆国連邦政府は、国民に対し渡航自粛を呼びかけていますが、2022年3月19日時点で、約6000人の退役軍人が義勇兵として志願しています。

日本

日本政府は、義勇兵への参加を控えるように呼びかけています。しかし、在日ウクライナ大使館は義勇兵を募集しており、2022年3月1日までに約70人の志願があったと報じられています。中には元自衛官やフランス外人部隊経験者も含まれていました。一部の弁護士は、日本人が義勇兵に応募した場合、私戦予備・陰謀罪に抵触する可能性があると指摘しています。また、2022年3月16日には、3名の日本人が義勇兵としてウクライナに入国したと報道されました。

韓国

韓国政府は、元海軍特殊戦旅団のイ・グン大尉を含む9名の韓国人がウクライナに滞在しており、その多くは戦闘に参加するために渡航したと発表しています。

台湾

ウクライナの大学で修士号を取得し、ウクライナで働いていた台湾人の王楠穎は、外国人志願兵部隊に参加して前線で戦っています。

デンマーク

デンマークの首相は、自国民の外国人部隊への参加を認めることを表明しています。

ポーランド

ポーランドには、アゾフ連隊と連携する組織があり、外国の志願兵に事前の訓練を行っています。また、外国人軍団とは別に、ポーランド義勇軍団という義勇兵組織も存在します。

ベラルーシ

ベラルーシでは、反ルカシェンコ政権派が義勇兵としてウクライナ側で戦っています。カストゥーシュ・カリノーウスキ大隊という部隊が編成されており、アゾフ連隊と連携して戦っています。

イギリス

イギリス政府は、義勇兵の参加を支持していませんが、リズ・トラス外務大臣は支持を表明しています。

ラトビア

ラトビア議会は、外国人部隊への参加を支持しています。

ジョージア

ジョージア議会の議員が部隊に参加している他、ジョージア軍団にも多数のジョージア人が参加しています。

問題点

各国政府は、自国民の参戦によってロシアとの外交問題が発生することを懸念しています。また、外国人戦闘員が加わった過去の戦争では、暴力のレベルが上がり、民間人への被害が増加する傾向が見られます。

アメリカの准教授は、アメリカ人の義勇兵が戦死した場合、世論の後押しでアメリカ政府が派兵し、戦争が拡大する懸念を指摘しています。

ロシア側は、外国人義勇兵を正式な捕虜として扱わないと明言しており、捕虜となった場合、苛酷な扱いを受けることが懸念されています。また、ドネツク人民共和国の裁判所は、義勇兵として参加した捕虜に死刑を宣告し、国際的な非難を浴びています。

出典

Wikipedia

関連項目

義勇兵
国際旅団
国際自由大隊

外部リンク

ukrforeignlegion.com (英語)
fightforua.org (英語)
* Want to go fight for Ukraine? Here’s what to do. (英語)

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