ウンベルト・リスポリ

ウンベルト・リスポリは1988年8月31日、イタリアのナポリで生まれました。騎手である父親の影響を受け、幼い頃から騎手を志すようになります。9歳の時に草競馬に参加し、中学卒業後にはローマの騎手学校に入学しました。

2004年に騎手免許を取得し、翌2005年にジュゼッペ・ボッティ厩舎に所属しプロデビュー。その才能はすぐに開花し、2008年にはイタリアのリーディング2位、2009年と2010年には2年連続でイタリアのリーディングジョッキーに輝きました。2009年には年間245勝という記録を打ち立て、これはジャンフランコ・デットーリが1982年に記録した229勝を27年ぶりに更新するものでした。

2010年には、イギリスで開催されるシャーガーカップに、オリビエ・ペリエ、クリストフ・スミヨンと共に欧州代表として参加し、国際的な舞台でもその実力を示しました。

2011年には短期免許を取得し、念願の初来日を果たします。初騎乗となった1月8日の京都競馬第1競走では、イイデステップで見事1着となり、初騎乗初勝利という快挙を達成しました。さらに、1月16日の日経新春杯ではルーラーシップを勝利に導き、来日初重賞制覇を飾りました。3月27日、免許交付期間最終日には、高松宮記念でキンシャサノキセキに騎乗し、日本のGI競走初優勝という大きな成果を挙げました。

2012年から2016年までフランスに拠点を移し、その後は香港ジョッキークラブに移籍。しかし、2019年12月には香港ジョッキークラブとの契約を終了し、アメリカ合衆国カリフォルニア州のサンタアニタパーク競馬場へと拠点を移しました。世界を股にかけて活躍する、まさに国際的な騎手と言えるでしょう。

リスポリは、大のテレビゲーム好きとしても知られています。来日前から日本のゲームを入手して遊んでいたほどで、『ウイニングポスト』や『ギャロップレーサー』といった競馬ゲーム、サッカーゲームの『ウイニングイレブン』などをプレイしています。特に競馬ゲームの影響で、カタカナ程度の日本語なら読めるようになったと言い、来日後は日本の競馬新聞を普通に読んでいたそうです。

独身時代には、体重管理に気を遣う騎手という職業柄、食事は基本的に自炊していたようです。イタリア人らしく、得意料理はパスタとのことです。

主な勝ち鞍は以下の通りです。

2010年：リディアテシオ賞（Aoife Alainn）
2011年：日経新春杯（ルーラーシップ）、京都記念（トゥザグローリー）、高松宮記念（キンシャサノキセキ）、イタリア共和国大統領賞（Estejo）
2012年：クイーンエリザベス2世カップ（ルーラーシップ）、カドラン賞（Molly Malone）
2021年：サンタアニタダービー（Rock Your World）、シューメーカーマイルステークス（Smooth Like Strait）、ロデオドライブステークス（Going to Vegas）

ウンベルト・リスポリは、その卓越した騎乗技術と、競馬に対する情熱で、これからも世界中の競馬ファンを魅了し続けることでしょう。

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