エウアゴラス

エウアゴラスについて

エウアゴラス（紀元前410年 - 紀元前374年）は、古代ギリシアのキプロス島にあるサラミスの王であり、その治世は多くの歴史的出来事に彩られています。エウアゴラスは自分の系譜について、テラモーンの子であると主張しており、長い間サラミスを統治してきたとされるものの、実際のところその正確な血筋は不明です。彼は王位を巡って争い、最終的にはサラミスを支配することになりましたが、彼の治世はペルシアとの関係で波乱に満ちていました。

エウアゴラスの青年時代と王位の奪取

エウアゴラスの少年期には、サラミスはフェニキアに支配されており、彼自身も亡命生活を余儀なくされました。キリキアに留まっていた彼は、ソロイで約50人の支持者を集め、紀元前410年には密かにサラミスに戻ります。彼が王座に就くと、彼はギリシアの技術を取り入れ、商業港の整備と軍事力の強化に注力しました。ペルシアの侵攻に備え、アテナイとの同盟関係を強化するため、紀元前405年にはアテナイの指導者コノンを受け入れ、一時的に友情を深めることとなります。

ペルシアとの同盟と戦争

その後、エウアゴラスは一時的にペルシアのアルタクセルクセス2世と良好な関係を築きました。彼はペルシアがアテナイに支援を行うことを保証し、紀元前394年にはクニドスの海戦でスパルタ艦隊に対して勝利を収め、その成果を称えられました。しかし、エウアゴラスとペルシアの関係は次第に悪化し、紀元前391年には戦争状態に突入します。

支配圏の拡大

アテナイやエジプトと連携する中で、彼はキプロスの大部分を支配下におくことに成功し、小アジアの数都市も掌握しました。ペルシアの圧力にもかかわらず、彼は果敢に抵抗を続けましたが、紀元前387年にアテナイがペルシアへの領主権を認めたことで彼の地位は大きく揺らぎます。

最後の戦いと講和

紀元前381年、エウアゴラスはペルシアの軍に侵攻された際に、補給路を断つことに成功しますが、その後の戦闘で膨大な兵力を持つペルシア軍に圧倒され、彼はサラミスへ逃れます。紀元前376年には、ペルシアの将軍との対話が成立し、エウアゴラスは名目上サラミス王であり続けるものの、実質的にはペルシアの臣下になるという条件で講和を結びました。

暗殺と後の影響

エウアゴラスは紀元前374年に暗殺され、その王位は息子のニコクレスに引き継がれます。彼の治世は短かったものの、イソクラテスによる演説では模範的な君主として称賛されています。エウアゴラスはギリシアの文化と技術をキプロスにもたらした先駆者として一部の歴史家によって評価されている一方、実際の記録ではその評価が一様ではなく、賛否が分かれています。

エウアゴラスの遺産

エウアゴラスの死後も彼の王朝はしばらく存続しましたが、最終的にはプトレマイオス朝のメネラオスによって滅ぼされます。エウアゴラスの治世は、古代ギリシアにおける政治と文化の交差点を表しており、彼の支配期間はキプロスの歴史において重要な役割を果たしました。

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