エクスプローラー2号

エクスプローラー2号：打ち上げ失敗に終わったアメリカの人工衛星計画

エクスプローラー2号は、アメリカ合衆国が計画した人工衛星であり、エクスプローラー1号の成功を受けて、その計画をさらに進める目的で開発されました。しかし、1958年3月5日にケープカナベラル空軍基地から打ち上げられたものの、ロケットの故障により軌道投入に失敗し、そのミッションを果たすことはできませんでした。

開発の背景

ソビエト連邦によるスプートニク1号の打ち上げ成功は、アメリカに大きな衝撃を与えました。これに対抗するため、アメリカ陸軍弾道ミサイル局（ABMA）は、ジュピターCロケットを基にした人工衛星打ち上げ計画を急遽進めることとなりました。この計画の中で、ジュノーIロケットが選ばれました。ジュノーIは、中距離弾道ミサイルであるジュピターCを用いてノーズコーンの再突入テストを済ませていました。ABMAとジェット推進研究所（JPL）は、協力してわずか84日間でジュノーIの調整とエクスプローラー1号の製作を完了させました。

エクスプローラー2号の設計

エクスプローラー2号は、エクスプローラー1号と同様に、宇宙空間の様々な観測を行うための科学機器を搭載していました。主な観測目的は、以下の通りです。

宇宙線の観測: 宇宙に存在する放射線である宇宙線を検知するために、ガイガーカウンターが搭載されました。特に、ヴァン・アレン帯と呼ばれる地球周辺の放射線帯を観測することが目的でした。
流星塵の観測: 宇宙空間に存在する微小な塵である流星塵を検知するために、ワイヤーグリッドアレイ（wire grid array）と音響検波器が搭載されました。これらの装置によって、流星塵の量や速度、組成などの情報を収集する予定でした。

打ち上げとその結果

1958年3月5日18時28分（UTC）、エクスプローラー2号はジュノーIロケットによってケープカナベラル空軍基地から打ち上げられました。しかし、打ち上げの際にロケットの四段目が正常に点火せず、必要な速度に達することができませんでした。その結果、エクスプローラー2号は軌道に投入されることなく、地球に落下しました。この失敗により、エクスプローラー2号は宇宙での科学観測を行うという本来の目的を果たすことができませんでした。

まとめ

エクスプローラー2号の打ち上げ失敗は、アメリカの初期の宇宙開発における挫折の一つとなりました。しかし、この失敗から得られた教訓は、その後のアメリカの宇宙開発に活かされることとなりました。エクスプローラー2号が搭載していた科学機器は、その後のミッションに再利用され、宇宙科学の進歩に貢献しました。エクスプローラー2号の経験は、宇宙開発における技術的な課題と、その解決の重要性を改めて示す事例となりました。

もう一度検索