第2軍団アウグスタ

第2軍団アウグスタ

第2軍団アウグスタ (Legio II Augusta) は、ローマ軍を構成した軍団の一つです。この軍団は、ガイウス・ユリウス・カエサルの支持者であったガイウス・ウィビウス・パンサ・カエトロニアヌスによって創設されました。設立当初は第2軍団サビナ (Legio II Sabina) と呼ばれていました。

軍団の紋章には、カプリコン（山羊座）、ペガサス、そして軍神マルスが用いられています。

軍歴

ヒスパニア駐在

カエサルの暗殺後、創設者であるパンサはマルクス・アントニウスとの戦いで負傷し、その後戦死しました。その後、軍団はオクタウィアヌスによって引き継がれ、ピリッピの戦いやペルシアでの戦いに参加しました。オクタウィアヌスが勝利し、共和政ローマの支配者として君臨すると、紀元前25年に第2軍団はヒスパニアに転戦し、カラブリア人との戦いに参加しました。ヒスパニアがローマの属州となると、その中のヒスパニア・タラコネンシスに駐在するようになりました。

ゲルマニア駐在

9年、トイトブルクの戦いで第17軍団、第18軍団、第19軍団が全滅するという大損害を被ったため、第2軍団はゲルマニアへと配置転換されました。この時の駐在場所は、現在のマインツであったと考えられています。17年からは、アルゲントラテに駐在しました。

ブリタンニア駐在

43年、第2軍団はブリタンニア遠征に参加しました。この遠征の際、後のローマ皇帝となるウェスパシアヌスが軍団の指揮を執りました。52年には、友軍が南ウェールズのシルレス族との戦いで手痛い敗北を喫しましたが、第2軍団はその中で目覚ましい活躍を見せました。ボウディッカによる反乱でローマの防衛力が低下し、苦境に立たされる中、総督であったガイウス・スエトニウス・パウリヌスが不在の際でも、軍団の名声は揺らぐことはありませんでした。反乱の鎮圧後、第2軍団は各地の基地への移転を繰り返しました。66年から74年まではグレウムに、そしてニューポート近郊のイスカ・アウグスタに移転し、この地に防衛用の城塞を築き上げ、3世紀まで駐在しました。また、第2軍団の一部はオックスフォードシャー州のアルチェスターにも滞在していました。

122年、第2軍団は北上し、ハドリアヌスの長城の築城に参加しました。196年にコンモドゥスが暗殺され、帝国が内乱状態に陥ると、第2軍団はクロディウス・アルビヌスの支配下に入り、セプティミウス・セウェルスと対抗しました。アルビヌスが敗北すると、セウェルスに従い、彼のブリタンニアでの戦役に従軍しました。アレクサンデル・セウェルスの治世では、カエルレオンへと戻りました。以降、4世紀になるまでブリタンニアに駐在していたことが記録によって確認されています。

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