エジプト・ポンド

エジプト・ポンドについて

エジプト・ポンド（E£、ج.م）は、エジプト中央銀行によって発行され、国内で使用されている通貨です。現地ではアラビア語でしばしば「ギニー」とも呼ばれ、ISOコードはEGPとなります。ポンドの補助単位としてピアストル（Pt、1E£ = 100Pt）が存在し、日常生活においても広く利用されています。

為替制度の変更

2016年11月、エジプト中央銀行は外国為替レートを固定相場制から変動相場制へと移行しました。これにより、事前の固定レートであった1ドル（＄）=8.8E£から、急激に1＄=13E£に急落しました。その後、2017年5月にはさらに下落し、1＄=18E£台に達しました。この急激な変動によって、エジプト国内の物価は著しく高騰しました。

硬貨の種類

エジプトでは、現在流通している硬貨は、25ピアストル、50ピアストル、1ポンドの3種類です。25ピアストルと50ピアストルはメッキ鋼鉄製であり、1ポンドはバイメタル製となっています。それ以前には、1837年から1900年にかけて多くの銅貨や銀貨、金貨が発行されました。特に、50ピアストル金貨や、様々な額面のパラとピアストルの硬貨が歴史の中で発行され、流通していました。

それ以後も、硬貨の種類は増え続け、時代による素材の変化やデザインの見直しがなされました。1916年から1917年にかけては新しい青銅貨と銀貨が発行され、1924年には青銅から白銅への移行が行われました。また、2008年には20ピアストル以下の硬貨が流通停止となりました。

紙幣の発行

エジプトの紙幣は、25ピアストル、50ピアストル、1、5、10、20、50、100、200ポンドが発行されています。1899年にエジプト国立銀行が初めて発行した紙幣には、50ピアストルから始まり、続いて1、5、10、50、100ポンドが続きました。先に紹介した硬貨と同様に、紙幣も長年にわたりデザインの変更や値面の追加などが行われてきました。

紙幣には二か国語表記が施されており、表面にはアラビア語とインド数字、裏面には英語とアラビア数字が印刷されています。また、裏面には古代エジプトの歴史的なモチーフが描かれ、表面にはイスラーム建築がデザインされています。2006年には200ポンドと500ポンドの紙幣の発行が検討されましたが、現在（2019年時点）では200ポンドのみが流通しています。500ポンドの発行計画は現時点ではありません。

経済における役割

エジプト・ポンドは、エジプトの経済において重要な役割を果たす通貨であり、特に外国との取引における影響は大きいです。為替レートの変動は、経済成長やインフレ、外国投資に直接的な影響をもたらすため、エジプトの経済政策においても重要なテーマとなっています。

最近の物価高騰は、ポンドの価値の変動によって引き起こされており、政府はこれを抑制するための様々な施策を講じています。

このように、エジプト・ポンドは単なる通貨以上のものであり、エジプトの歴史や文化、経済に深く結びついています。

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