帝国音楽学校

帝国音楽学校（ていこくおんがっこう）

概要

帝国音楽学校は、かつて東京都世田谷区代田二丁目に所在した音楽学校です。本科3年、予科1年、高等師範科3年、師範科1年、普通科2年、研究科2年という課程を設けていました。

沿革

帝国音楽学校は、2度の設立と廃校を経験しています。

第一次帝国音楽学校

1928年、高井徳蔵の要請により、福井直秋を校長として設立されました。しかし、翌1929年には福井校長を含む教職員が辞任し、在籍していた128名の生徒は武蔵野音楽学校へ移籍しました。わずか1年という短期間で幕を閉じることになりました。

第二次帝国音楽学校

1930年、バイオリニストの鈴木鎮一らによって再興されました。第二次帝国音楽学校は、音楽教育の発展に大きく貢献しましたが、1945年5月25日の東京大空襲によって校舎が焼失し、廃校となりました。

著名な関係者・出身者

帝国音楽学校は、多くの著名な音楽家や関係者を輩出しました。以下に代表的な人物を挙げます。

高井徳蔵：学校設立に尽力
福井直秋：第一次帝国音楽学校校長
北昤吉：衆議院議員、北一輝の弟
伊藤久男：歌手
古関金子：作曲家古関裕而の妻
深井史郎：作曲家
下総皖一：作曲家
笈田光吉：ピアニスト
菅原明朗：作曲家、和声学者
鈴木鎮一：ヴァイオリニスト
江藤輝：作曲家
江藤支那子：ピアニスト
属澄江：ピアニスト
諏訪根自子：ヴァイオリニスト
大木正夫：音楽家
大木英子：音楽家
松本善三：音楽家
田村虎蔵：音楽家
津川主一：音楽家
柳兼子：柳宗悦の妻
高木東六：作曲家
エト邦枝：音楽家
服部正：作曲家
夏田鐘甲：音楽家
日置静：音楽家
小松平五郎：管弦楽、合唱指導、音楽理論家
アレクサンドル・モギレフスキー：ヴァイオリニスト
ロイヒテンベルク：ピアニスト
マキシム・シャピロ：ピアニスト
コンスタンチン・シャピロ：チェリスト


帝国音楽学校は、短い期間ながらも、日本の音楽界に多大な影響を与えた学校であったと言えるでしょう。

参考文献

* 楽報社『1929 音楽年鑑 楽壇名士録 昭和4年版』竹中書店、1928年

もう一度検索