エドガー・プラード

エドガー・プラード：アメリカ競馬史に名を刻んだ名ジョッキー

エドガー・プラードは、1967年ペルーで生まれ、アメリカで活躍した伝説的な騎手です。1983年にペルーでデビューし、1986年にはアメリカへと渡り、フロリダ州ハリウッドを拠点に活躍しました。東海岸を中心に数々のレースを制し、北米を代表するジョッキーとして名を馳せました。

彼のキャリアは、まさに華々しい成功の連続でした。2004年には史上19人目となる通算5000勝を達成し、その実力と人気を不動のものとしました。そして2006年、第132回ケンタッキーダービーでは、バーバロに騎乗し圧勝。6馬身半差という圧倒的な勝利は、1946年のアソールト以来の快挙でした。しかし、この勝利はプラードのキャリアにおける大きな転換点ともなりました。プリークネスステークスでバーバロが故障、安楽死という悲しい結末を迎えることとなったのです。

ケンタッキーダービー以外にも、プラードは数々の名レースで勝利を収めました。2002年と2004年のベルモントステークス制覇は特筆に値します。特に2002年のサラヴァでの勝利は、71.25倍という驚異的な高配当で、競馬史に残る大金星となりました。2004年にはバードストーンで、三冠レースを制覇するスマーティージョーンズを破るという快挙も成し遂げています。さらに、プラードとバードストーンは同年トラヴァーズステークスでも優勝し、その強さを証明しました。2005年には初めてブリーダーズカップで2勝を挙げ、フォークロアでジュヴェナイルフィリーズ、シルヴァートレインでスプリントを制覇するなど、活躍の幅は多岐に渡りました。

アメリカでの輝かしい功績だけでなく、プラードは日本でもその名を轟かせました。1993年のヤングジョッキーズワールドチャンピオンシップ初出場時は11位でしたが、翌年には見事優勝を果たしました。その後もワールドスーパージョッキーズシリーズに2001年から2008年まで6年連続で出場し、日本の競馬ファンにも広く知られる存在となりました。JRA通算成績は54戦2勝です。

2006年には、ニューヨーク競馬協会からマイク・ヴェネツィア記念賞を受賞。2008年には全米で16人目となる通算6000勝を達成し、同年アメリカ競馬名誉の殿堂博物館入りを果たしました。これらの功績は、彼の類まれな才能と努力の証と言えるでしょう。

数々の栄光を掴み、アメリカ競馬の歴史に大きな足跡を残したエドガー・プラード。2023年1月、ガルフストリームパーク競馬場でのレースが最後の騎乗となり、同年6月には家族との時間を優先するため引退を表明しました。長きに渡る彼の騎手生活に幕が閉じましたが、その偉大な功績は、これからも語り継がれていくことでしょう。彼の名前は、競馬史に永遠に刻まれるのです。

主な勝鞍

彼のキャリアにおいて、数多くのビッグレース制覇が輝いています。その一部を以下に列挙します。

ケンタッキーダービー (2006年: バーバロ)
ベルモントステークス (2002年: サラヴァ, 2004年: バードストーン)
ブリーダーズカップ・ジュヴェナイルフィリーズ (2005年: フォークロア)
ブリーダーズカップ・スプリント (2005年: シルヴァートレイン)
トラヴァーズステークス (2004年: バードストーン)
その他、数々のグレード1競走

彼の功績は、単なる勝利の数だけにとどまりません。数々の名馬を駆り、数々の名勝負を演じた彼の騎乗は、競馬ファンの記憶に深く刻まれています。エドガー・プラードという名は、まさにアメリカ競馬史におけるレジェンドと言えるでしょう。

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