エヌ・ティ・ティ・ドコモ東北

株式会社エヌ・ティ・ティ・ドコモ東北（NTT DoCoMo Tohoku, Inc.）

通称「NTTドコモ東北」または「ドコモ東北」として知られていた、東北6県を事業区域とする電気通信事業者でした。株式会社エヌ・ティ・ティ・ドコモの完全子会社として、地域に密着したサービスを提供していました。

事業区域

青森県、岩手県、秋田県、宮城県、山形県、福島県を事業区域としていました。

沿革

1973年: 東北通信サービス株式会社設立。ポケットベルサービス開始。
1983年: 自動車電話サービス開始。
1988年: エヌ・ティ・ティ東北移動通信株式会社に改称。
1991年: エヌ・ティ・ティ移動通信企画東北株式会社成立。
1993年:
エヌ・ティ・ティ移動通信企画東北がエヌ・ティ・ティ東北移動通信網株式会社に改称。
エヌ・ティ・ティ東北移動通信とエヌ・ティ・ティ移動通信企画東北が合併。
1998年: エヌ・ティ・ティ東北パーソナル通信網よりPHS事業を譲り受ける。
2000年: 株式会社エヌ・ティ・ティ・ドコモ東北に改称。
2004年6月: ポケットベル新規加入受付を停止。
2005年5月: PHS新規加入受付を停止。
2007年3月31日: ポケットベル事業から撤退。
2008年:
1月7日: PHS事業から撤退。
7月1日: 親会社の株式会社エヌ・ティ・ティ・ドコモに併合され解散。本社は親会社の東北支社となる。

本社・支店等所在地

宮城県
宮城支店（本社）: 宮城県仙台市青葉区上杉1丁目1番2号 ドコモ東北ビル（会社解散とともに消滅、ドコモ東北支社に統合）
青森県
青森支店: 青森県青森市中央3丁目19番1号 ドコモ東北青森ビル
八戸営業所: 青森県八戸市大字尻内町字八百刈50番地2
岩手県
岩手支店: 岩手県盛岡市上堂4丁目13番1号 ドコモ東北盛岡ビル
秋田県
秋田支店: 秋田県秋田市大町4丁目2番39号 ドコモ東北秋田ビル
山形県
山形支店: 山形県山形市幸町18番9号 ドコモ東北山形ビル
福島県
福島支店: 福島県福島市吉倉字名倉29番地1 ドコモ東北福島ビル
郡山営業所: 福島県郡山市駅前1丁目15番6号 明治安田生命郡山ビル5F

その他、ドコモ東北仙台ビル（宮城野区榴岡）やドコモ東北泉ビル（泉区市名坂）などの自社ビルを保有し、保守関連や交換機収容の拠点として利用していました。ドコモ東北仙台ビルには、故障等のサポート拠点「仙台サービスセンター」が、ドコモ東北泉ビルにはドコモショップ泉店がありました。

クイックキャスト（ポケットベル）の番号

各県内の特定のMA（移動体エリア）にクイックキャストの番号が割り当てられていました。

青森県: 青森MA (020-401)
秋田県: 秋田MA (020-402)
岩手県: 盛岡MA (020-403)
宮城県: 仙台MA (020-404)
山形県: 山形MA (020-405)
福島県: 郡山MA (020-406)

福島県が郡山MAなのは、ドコモ東北福島支店がかつて郡山市にあったためです。

携帯電話サービス契約数

2008年5月末時点で、携帯電話契約数は3,578,600契約（東北地方シェア54.9%）を誇っていました。同時期の東北地方におけるau（KDDI）のシェアは29.0%、ソフトバンクモバイルは16.1%でした。

オリジナルCMシリーズ

2001年から2007年にかけて、宮崎あおいさんを起用したドラマ仕立てのCMシリーズが展開され、東北地方で非常に人気を博しました。このCMは、東北各地を舞台に、宮崎あおいさん演じる「澤田菜穂子」とその家族の交流を描いたもので、iショットやテレビ電話などの機能を通じて、東北の魅力を伝える内容でした。

初期のCMでは、東京に住む高校生だった菜穂子が、東北の親戚や旅行先で出会う人々と携帯電話でコミュニケーションを取りながら、やがて東北の大学に進学し、医学生として成長していく様子が描かれました。このCMシリーズは、単に携帯電話の機能を紹介するだけでなく、家族の絆や東北地方の美しい風景、人々の温かさを描き出し、多くの人々の共感を呼びました。

過去の放送作品例

2001年: 「iエリア解決デート」篇、「のりのりサラリーマン」篇、「どっさり卵料理」篇
2002年: 「お助け英単語」篇、「iモードでビッグニュース」篇、「iショットで子犬探し」篇、「ゴルフ」篇、「おやつのカロリー」篇、「対戦相手求む」篇、「困ったヘアメイクさん」篇、「見えない想い」篇、「ストーブ列車」篇
2003年: 「スゴワザ」篇、「同級生」篇、「よく言われる」篇、「レインボー」篇、「母の故郷」篇、「父の出張」篇
2004年: 「娘の決意」篇、「みんな良い子」篇、「迷い込んだ世界」篇
2005年: 「おばあちゃんは、小野小町」篇、「テストのごほうび」篇、「お誕生会」篇
2006年: 「未来の天文学者」篇、「ほんもののなまはげ」篇、「元気なガイドさん」篇
2007年: 「智恵子のふるさと」篇、「世界遺産を目指す町」篇、「伝統と自分らしさ」篇

CMシリーズによる寄与

このCMシリーズは、東北地方におけるドコモの認知度向上に大きく貢献しました。特に、東京などの都市部へ移住した東北出身者と、地元に残る家族との絆を描いたストーリーは、多くの人々の共感を呼びました。

また、CMに登場した観光地には多くの観光客が訪れるようになり、地域活性化にも貢献しました。ドコモ東北は、このCMシリーズを収録したDVDを制作し、自治体などに配布しました。

宮崎あおいさんは、このCMシリーズを通じて東北地方で非常に有名になり、全国的な知名度を獲得するきっかけとなりました。このCMシリーズは、東北地方の視聴者にとって非常に身近な存在であり、長く愛されました。

料金体系の変更により、CMの舞台は東京から東北地方へと移り変わり、やがて全国一律料金化により、この地域限定のCMは姿を消しました。

一社提供番組

ドコモ東北は、以下の番組を一社提供していました。

ブロックネット
『モバ☆スタ』（2006年）
『モバ☆スタ2.0』（2007年）
『若きデジタルクリエイターたちの挑戦』（2006年）
『i-LAND in TOHOKU』（2007年）
宮城県
『輝け★アプリの星』（2007年）
『星空のステージ』（2007年）
『風雲!モバラブ2008』（2008年）

脚注

関連項目

エヌ・ティ・ティ・ドコモ
ドコモサービス東北
ドコモエンジニアリング東北 (現在のドコモCS東北)
宮崎あおい

外部リンク

NTTdocomo
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