ドコモエンジニアリング

ドコモエンジニアリング株式会社：NTTドコモの通信インフラを支えた技術集団

ドコモエンジニアリング株式会社は、かつてNTTドコモグループの一員として、電気通信設備の開発、建設、保守、運用を担っていた企業です。2014年に他のグループ会社と合併し、株式会社ドコモCSとなりました。

事業概要

主な業務は、NTTドコモから委託されたネットワーク保守業務です。具体的には、屋外基地局、屋内基地局、交換局の設計、設置、保守が中心でした。さらに、NTTドコモ社内ネットワークの物理層における工事や保守も行っていました。全国各地にネットワークサービスセンターを設け、災害や障害時には迅速な復旧対応を実施していました。

約1500名の従業員を抱え、ドコモグループ内でも特に多くの人員を擁していました。現場作業員が多数を占めるため、CCNAやCCNP、無線技術士などのネットワーク関連資格、そして近年ではサーバー化が進む交換機に対応するため、LPICなどのUNIX系資格取得者が多数いました。研修センターを設け、ドコモグループやドコモショップ向けのシステム研修や資格取得支援も行っていました。

ドコモグループ最大の子会社として、かつてはボーダフォンジャパンの社長を務めた津田志郎氏が社長を務めたこともあります。また、合併前の社長であった辻村氏は、ドコモ本体の副社長も務め、iモードからスマートフォンへの移行期における主要な人事を担っていました。

事業エリア

事業エリアは、旧NTTドコモ中央管内でした。具体的には、東京都、神奈川県、山梨県、埼玉県、茨城県、群馬県、栃木県、長野県、新潟県をカバーしていました。他の地域については、ドコモエンジニアリング東北などのように地域名を冠した関連会社が、それぞれの地域における保守業務を担っていました。

沿革

1992年8月：NTT中央移動通信株式会社の100%出資子会社として、「移動通信システムエンジニアリング株式会社」を設立。
1993年10月：NTT移動通信網株式会社とNTT中央移動通信株式会社の合併に伴い、「ドコモエンジニアリング株式会社」に社名変更。NTTドコモの100%子会社として再発足。
1995年12月：東京臨海副都心青海フロンティアビルに事務所を一部移転。
1997年1月：一般人材派遣事業を開始。
2001年8月：研究開発支援業務をドコモ・テクノロジ株式会社に移管。
2001年12月：本社を国際赤坂ビルへ移転。
2003年7月：一般労働者派遣業務をドコモ・サービス株式会社へ移管。
2014年7月：ドコモ・サービス株式会社、ドコモ・モバイル株式会社、ドコモ・ビジネスネット株式会社を吸収合併し、株式会社ドコモCSに商号変更。

合併前の主な関連会社

ドコモエンジニアリング北海道株式会社（北海道札幌市）
ドコモエンジニアリング東北株式会社（宮城県仙台市）
ドコモエンジニアリング東海株式会社（愛知県名古屋市）
ドコモエンジニアリング北陸株式会社（石川県金沢市）
ドコモ・エンジニアリング関西株式会社（大阪府大阪市）
ドコモエンジニアリング中国株式会社（広島県広島市）
ドコモエンジニアリング四国株式会社（香川県高松市）
ドコモエンジニアリング九州株式会社（福岡県福岡市）
ドコモ・サポート株式会社
ドコモ・モバイル株式会社
ドコモ・サービス株式会社
ドコモ・システムズ株式会社
ドコモ・ビジネスネット株式会社
ドコモ・データコム株式会社


ドコモエンジニアリングは、NTTドコモの通信インフラを支える重要な役割を担っていました。高度な技術力と全国的なネットワークを駆使し、日本の通信技術の発展に大きく貢献しました。その技術とノウハウは、現在のドコモCSにも引き継がれています。

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