エメ・ヴィリヨン

アマトス・ビリオン（エメ・ヴィリヨン）

アマトス・ビリオン（エメ・ヴィリヨン、1843年9月2日 - 1932年4月1日）は、パリ外国宣教会に所属したフランス人宣教師です。明治初期に来日し、激動の時代に日本のカトリック教会発展に大きく貢献しました。

生涯

南フランスのリヨン近郊で生まれたビリヨンは、聖スルピス神学校で学び、1866年に司祭に叙階されました。パリ外国宣教会から派遣され、1868年（明治元年）に来日。長崎に上陸後、キリスト教禁教政策下での布教活動を余儀なくされます。

1870年には大浦天主堂に監禁され、浦上四番崩れで流刑となる信者たちを見送りました。翌年、神戸に移り中山手カトリック教会の司祭となります。1875年の飢饉では、捨て子救済のため横浜のサンモール修道会（幼きイエス会）に協力を依頼し、多くの子供たちを託しました。また、神戸への修道女派遣を要請し、ショファイユの幼きイエズス[[修道会]]が来日するきっかけを作りました。

1879年、京都に移り住んだビリヨンは、日本人の心理を理解するため知恩院で仏教を研究。フランス語塾を開き、渋沢栄一、稲畑勝太郎、林市蔵らを教えました。東京の和仏学校でも教鞭を執り、西園寺公望、原敬、松岡康毅らを育てました。1890年には、長年の尽力により聖フランシスコ・ザベリオ記念天主堂（現在の河原町教会）が完成しました。

聖堂建設直前の1889年、ビリヨンは山口へ転任。萩・津和野の殉教者調査に奔走し、1895年には萩へ移り住み、キリシタン史跡の研究に没頭。「至福の碑」を建てるなど、各地に殉教者の碑を建立しました。フランシスコ・ザビエルの住居跡とされる大道寺の遺跡を発見したのもこの頃です。

1924年、萩教会がイエズス会に移譲されたため、ビリヨンは神戸へ。翌年、奈良教会の主任司祭に就任し、1926年には大道寺跡地に記念碑が建立されました。1932年、川口天主堂で生涯を閉じました。

エピソード

来日当初、大隈重信に西洋の書物を譲り、交流を深めました。
ショファイユの幼きイエズス[[修道会]]の修道女たちの来日時には、感極まって人目もはばからず大泣きしたと伝えられています。
55歳から70歳まで、馬に乗って布教活動を行いました。愛馬の死後、蹄を加工してインク壺として愛用しました。
萩教会を離れる際、持ち物を全て人に与えてしまいましたが、隠居生活に耐えきれず、再び教会での活動を望み、奈良教会へ赴任しました。

主な著作

『日本聖人 鮮血遺書』
『切支丹大名史』
『山口公会史』
『日本仏教史』
* 『山口大道寺跡の発見と裁許状に就て』

アマトス・ビリオンは、日本のカトリック教会の発展に大きく貢献しただけでなく、教育者、慈善家としても日本の近代化に寄与しました。彼の生涯は、異文化理解と献身的な愛の精神を今に伝えるものです。

もう一度検索