エリノア・パーカー

エリノア・パーカー（Eleanor Parker, 1922年6月26日 - 2013年12月9日）は、アメリカ合衆国出身の女優です。彼女は、その類まれな美貌と、作品ごとに異なるキャラクターを演じ分ける確かな演技力で、ハリウッドの黄金期を代表する女優の一人として広く知られています。

オハイオ州セダービルで生まれたパーカーは、父親が数学教師という家庭環境で育ちました。名門のパサディナ・プレイハウスで演技を学び、1941年に映画デビューを果たします。その後、数々の作品に出演し、その存在感を示しました。彼女のキャリアを語る上で欠かせないのが、1950年公開の映画『女囚の掟（原題：Caged）』での演技です。この作品で彼女はヴェネツィア国際映画祭の女優賞を受賞し、国際的な評価を確立しました。

また、パーカーはアカデミー主演女優賞にも3度ノミネートされています。しかし、残念ながら受賞には至らず、デボラ・カーやグレン・クローズらと共に「アカデミー賞の残念組」として語られることもあります。しかし、彼女の演技力は広く認められており、多くの映画ファンに愛され続けています。

彼女の代表作としては、1951年の『探偵物語』や、ミュージカル映画の金字塔『サウンド・オブ・ミュージック』（1965年）での男爵夫人役が挙げられます。特に『サウンド・オブ・ミュージック』での彼女の演技は、多くの観客に深い印象を与えました。1960年代からはテレビドラマにも進出し、エミー賞やゴールデングローブ賞にノミネートされるなど、幅広い分野で活躍しました。彼女の功績を称え、ハリウッド・ウォーク・オブ・フェームには彼女の名前が刻まれています。

エリノア・パーカーは、2013年12月9日に91歳で亡くなりましたが、彼女が残した数々の作品は、今もなお多くの人々に感動を与え続けています。

主な出演作品：

壮烈第七騎兵隊（1941年）
霧の中の戦慄（1944年）
ハリウッド玉手箱（1944年）
嘆きのプレリュード（1947年）
白衣の女（1948年）
大空への挑戦（1950年）
女囚の掟（1950年）
三人の秘密（1950年）
ヴァレンチノ（1951年）
探偵物語（1951年）
血闘（1952年）
決戦攻撃命令（1952年）
ブラボー砦の脱出（1953年）
王家の谷（1954年）
黒い絨毯（1954年）
黄金の腕（1955年）
渡るべき多くの河（1955年）
わが愛は終りなし（1955年）
ながれ者（1956年）
波も涙も暖かい（1959年）
肉体の遺産（1960年）
青春の旅情（1961年）
イレブンス・アワー 最後のカルテ（1963年）
サウンド・オブ・ミュージック（1965年）
消えた拳銃（1966年）
オスカー（1966年）
殺しの逢びき（1966年）
カロリーナ(1967年)
0011ナポレオン・ソロ 地球を盗む男（1968年）
猫（1969年）
華麗なる世界（1969年～1970年）
大統領のスキャンダル（1971年）
世にも不思議な出来事（1972年）
四人姉妹連続殺人/惨劇は浴室から始まった（1972年）
ミス・アメリカン・コンテスト（1973年）
ハワイ5-0（1978年）
サンバーン（1979年）
新・殺しのドレス（1979年）
ラブ・ボート（1979年、1982年）
ファンタジー・アイランド（1979年、1983年）
ワンス・アポン・ア・スパイ（1980年）
ベガス（1980年）
アーサー・ヘイリーのホテル(1983年)
ジェシカおばさんの事件簿（1986年）

アカデミー賞ノミネート歴：

第23回（1950年） - 主演女優賞（『女囚の掟』）
第24回（1951年） - 主演女優賞（『探偵物語』）
第28回（1955年） - 主演女優賞（『わが愛は終りなし』）

吹き替えを担当した声優：

戸田恵子
増山江威子
武藤礼子
増子倭文江
寺島信子
藤波京子

関連書籍：

「真実－パトリシア・ニール自伝」（兼武進・訳、新潮社・刊） ISBN 978-4105226015

パトリシア・ニールは、映画『三人の秘密』でパーカーと共演した際のことを「（パーカーは）その美貌に似合わないユーモアで私たちを楽しませてくれた」と述べています。

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