エリ級
フリゲート(希: φρεγάτες τύπου Έλλη、英: Elli-class frigate)は、
ギリシャ海軍が運用する汎用
フリゲート艦の艦級です。この艦級は、特にオランダが建造したコルテノール級
フリゲートを基にした設計変更が施されており、その結果、近代的な戦闘能力を兼ね備えています。
来歴
ギリシャ海軍は、戦後の近代化を進める中で、1951年から1970年代にかけて多数のアメリカ製
駆逐艦を取得しましたが、これらの艦船は第二次世界大戦時代の設計でした。このため、より現代的な艦艇の必要性が高まり、アメリカ海軍への依存度を減少させる戦略が求められました。これに応じて、オランダのコルテノール級
フリゲートを元に、必要な設計変更が行われることになりました。
具体的には、1980年から1981年にかけて
オランダ海軍向けに建造されたコルテノール級の7番艦と8番艦を購入し、これらの艦を改修して
ギリシャ海軍に納入しました。また、その後、
オランダ海軍から退役した艦を含む計8隻が1990年代にかけて再就役しました。
設計
エリ級
フリゲートの設計は、基本的にコルテノール級
フリゲートと同じですが、いくつかの重要な変更点があります。具体的には、76mm単装両用砲が増設され、
CIWS(近接防御システム)はゴールキーパーからファランクスに変更されました。また、
格納庫が拡張され、
艦載機も
アグスタウェストランド リンクスからアグスタ・ベル 212ASWに変更されました。
オランダ海軍から引き継いだ艦についても、エリ級に準じた改修が行われていますが、既存の装備が以下のように異なる場合があります:76mm砲やファランクス
CIWSが1基ずつなど、個々の艦により若干の差異があります。
就役後の近代化も進められており、デコイ発射機はアメリカ製の
Mk 36 SRBOCに換装され、さらには電子装備の近代化が行われた艦もあり、
戦術情報処理装置がSEWACO-IIからTACTICOSに変更されています。対水上捜索
レーダーもタレス・スカウトに更新され、電波探知装置はCS-3701に置き換えられています。さらに、MSP-500光学射撃指揮装置が新たに追加されるなど、整備のスピードが求められています。
ただし、NATOシー・スパロー・ミサイル・システム(NSSMS)の更新計画には中止されたものもあり、具体的にはMk.29 8連装ミサイル発射機をMk.48
VLSに改装する予定でしたが、達成には至りませんでした。
同型艦
エリ級
フリゲートは、コルテノール級
フリゲートや、
ドイツ海軍のブレーメン級
フリゲートといった準同型艦が存在します。これらの艦艇は、各国の海軍での汎用艦に求められる役割を担っています。
本級の情報は、さまざまな資料を通じて確認可能であり、海軍に関心がある方々にとっては興味深い内容が多く含まれています。