エルプフィルハーモニー・ハンブルク

エルプフィルハーモニー・ハンブルク：音楽と建築の融合

エルプフィルハーモニー・ハンブルク（Elbphilharmonie Hamburg）、通称「エルプフィル」は、2017年1月にオープンしたドイツ・ハンブルクのハーフェンシティ地区に位置する、世界的に有名なコンサートホールです。その名称は、ハーフェンシティに面するエルベ川に由来します。

歴史と概要

このコンサートホールの最大の特徴は、古い倉庫「埠頭倉庫A（Kaispeicher A）」の上に建設されたという点です。この独創的な設計は、スイスの建築家ユニット、ヘルツォーク&ド・ムーロンによって手がけられました。音響設計は、日本が誇る永田音響設計が担当し、世界最高水準の音響空間を実現しています。

完成時の高さは110mに達し、人が居住する建物としてはハンブルクで最も高い建築物の一つとなっています。上層階には、ホテル・ウェスティン・ハンブルクが入居しており、観光客にも人気のスポットです。

エルプフィルハーモニーは、NDRエルプフィルハーモニー管弦楽団（旧北ドイツ放送交響楽団）の本拠地として、数々の素晴らしいコンサートを届けています。

建設の道のり

しかし、その建設は決して平坦な道のりではありませんでした。当初の推定予算は7700万ユーロでしたが、建設の遅延とコストの増加により、最終的な総費用は7.89億ユーロにまで膨れ上がりました。この巨額な費用は、市民からの批判を浴び、スキャンダラスな事業と見なされることもありました。

当初は2010年の完成が予定されていましたが、度重なる延期を経て、2017年1月にようやく開業。その間、2010年5月には上棟式が行われ、2016年11月には建物と旧倉庫の間の公共広場が一般公開されました。

こけら落としとその後

2017年1月11日、待望のこけら落としコンサートが開催され、エルプフィルハーモニーは正式に開業しました。その美しい外観と素晴らしい音響は、世界中の音楽ファンを魅了しています。

エピソード

2018年3月2日には、早稲田大学交響楽団がこのホールで日本人として初めて演奏し、話題となりました。

一方で、2019年1月には、グスタフ・マーラーの『大地の歌』が演奏された際、ステージ後方の観客から「聞こえない」という声が上がり、退席する騒動が発生しました。この騒動を受けて、出演したテノール歌手のヨナス・カウフマンはホールの音響を批判しましたが、音響設計を担当した永田音響設計の豊田泰久は、同ホールの音響はクリアで透明であると反論しました。

まとめ

エルプフィルハーモニー・ハンブルクは、その建設過程において様々な困難に見舞われましたが、最終的にはハンブルクの新たなシンボルとして、世界中の人々に愛される存在となりました。音楽を愛する人々にとって、一度は訪れたい特別な場所と言えるでしょう。

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