オイリアンテ

『オイリアンテ』（Euryanthe）作品81は、カール・マリア・フォン・ウェーバーによって作曲されたドイツ語のオペラです。この作品は、中世フランスのロマンス「ジェラール・ド・ヌヴェールと徳高く貞節なウリアン・ド・サヴォワの物語」を基にしており、ヘルミーナ・フォン・シェジーが台本を執筆しました。初演は1823年10月25日にウィーンのケルントナートーア劇場で行われました。

上演には約3時間を要する大作ですが、今日では全編が上演される機会は少なく、序曲が独立して演奏されることが一般的です。この序曲は、劇中の旋律を用いながらもソナタ形式で構成されており、その美しい旋律と軽快なリズムが特徴です。提示部では、変ホ長調の堂々とした第一主題と、変ロ長調のアリア調の第二主題が提示され、展開部ではフガートが用いられ、転調を繰り返しながら緊張感が高まります。そして、再現部では再び変ホ長調に戻り、楽曲全体を付点8分音符と16分音符のリズムが支配することで、軽快な音楽となっています。演奏時間は約9分程度です。

日本では、NHK-FMの番組「オペラファンタスティカ」のオープニングテーマとして序奏が使用されています。また、徳島県では、四国放送のテレビ番組「徳島新聞ニュース」のテーマ曲として、序奏と結尾部が15秒に編集されて使用されており、鳴門海峡の渦潮の映像とともに、県民に広く親しまれています。ちなみに、徳島県は日本で初めてベートーヴェンの交響曲第9番が演奏された地でもあります。

『オイリアンテ』の編成は、フルート2、オーボエ2、クラリネット2、ファゴット2、ホルン4、トランペット2、トロンボーン3、ティンパニ、そして弦五部から成ります。

このオペラは、台本の完成度の低さから、しばしば批判の対象となってきました。ヘルミーナ・フォン・シェジーは、この作品の後、シューベルトに『キプロスの女王ロザムンデ』の劇音楽を依頼しますが、これも成功とは言えませんでした。そのため、全編を演奏する際には、しばしば改訂が試みられています。有名な改訂版としては、ドナルド・トーヴィーによるもの（1902年）があり、これはトスカニーニやジュリーニなどの指揮者によって演奏されています。また、マーラーとカルベックによる改訂版（1903年）も存在します。

その他、この作品に関連するものとして、小惑星「オイリアンテ」があります。

参考資料として、国際楽譜ライブラリープロジェクトで『オイリアンテ』作品81の楽譜を閲覧することができます。

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