オールスター紅白バレーボール大会

『オールスター紅白バレーボール大会』は、1973年から1981年にかけて、フジテレビ系列の『火曜ワイドスペシャル』や『土曜グランドスペシャル』枠で不定期に放送された特別番組です。1980年を除く毎年開催され、全12回（本大会11回、スペシャル大会1回）が放送されました。これは、『オールスター紅白大運動会』や『オールスター紅白水泳大会』などと並ぶ、フジテレビが手掛けた芸能人対抗スポーツバラエティシリーズの一つとして位置づけられています。

番組内容と特色

この番組は、人気芸能人たちが複数のチームに分かれ、バレーボールで対戦するという企画でした。番組タイトルには「紅白」と冠されていますが、実際には紅白に分かれるわけではなく、出場者を「男子タレント」や「女子歌手」といった性別とジャンルを組み合わせたチームに編成するのが大きな特徴でした。試合形式は、男性チーム同士、女性チーム同士がそれぞれトーナメント戦を行い、最終的に男女それぞれの優勝チームを決定するというものでした。番組の総合司会と実況は、『オールスター紅白大運動会』でもおなじみの土居まさる氏が担当しました。

もう一つの注目すべき点は、1974年秋以降、かつて「東洋の魔女」と呼ばれ、1964年東京オリンピックで金メダルを獲得した日紡貝塚女子バレーボールチームの元メンバーが出演したことです。彼女たちは試合の解説や閉会式でのプレゼンターを務めたほか、番組冒頭では男性芸能人の選抜チームとのエキシビションマッチを披露し、番組に華を添えました。

番組の収録は公開形式で行われ、東京都内の様々な体育館が使用されました。記念すべき第1回は、大田区体育館で収録されています。

放送の歴史と形式

番組の放送時期は、初期の1973年と1974年は春と秋の年2回開催でしたが、1975年以降は1978年を除き、春の単独開催へと移行しました。例外となった1978年は、春にフジテレビが結成した女子プロ野球チーム「ニューヤンキース」の宣伝を兼ねて、彼女たちの試合をメインにした『土曜グランドスペシャル』枠で特別に放送され、ニューヤンキースも試合に参加しました。同年秋には、4年ぶりに『火曜ワイドスペシャル』枠で通常の秋大会も開催されました。

また、1978年には通常の男女混合大会とは別に、女性芸能人限定のスペシャル大会『激突!! 女子スター選抜バレーボール大会』も開催され、ここにもニューヤンキースが参加しています。

セレモニーとルール

開会式は、『オールスター紅白大運動会』と同様のスタイルで行われましたが、聖火の入場はありませんでした。まず、全ての選手がボールを持って入場し、チームごとに整列。その後、前回大会の優勝チームキャプテンから大会委員長へ優勝旗が返還され、選手代表による力強い選手宣誓が行われました。式の締めくくりは始球式で、ホイッスルを合図に全選手が一斉に持っているボールを高く掲げて終了しました。

試合のルールは、本戦とエキシビションで異なります。

本戦: 6人制を採用。得点方式は当時の主流であったサイドアウト制で、サーブ権を持つチームが相手コートにボールを入れると1点が加算されました。15点を先取したチームがセットを奪取しますが、番組の放送時間には限りがあるため、試合は通常1セットマッチで行われ、この1セットを勝利したチームが即座にマッチ勝利となりました。サイドアウト制の特性上、ラリーが長く続きやすく、放送時間内に収めるため、試合の途中でカットされて放送されることが多く、1セット全てが放送されることはまれでした。
エキシビション: 1974年秋から行われた「東洋の魔女」対男性芸能人選抜チームの試合では、9人制が採用されました。双方から9名ずつが参加し、「東洋の魔女」チームへのハンディキャップとして、男性芸能人チームにはあらかじめ10点が与えられた状態で試合を開始しました。9人制のルールでは、サイドアウトに関係なく、相手コートにボールを入れるごとに1点が入る方式が取られ、21点を先取したチームが勝利しました。

チーム名とその他

出場チームの名称は、バレーボールの専門用語から付けられていました。「クイッカーズ」「スパイカーズ」「アタッカーズ」「ドライブサーバーズ」「フェインターズ」「レシーバーズ」など、攻撃技に関連する名前が大半を占めましたが、「ドリブラーズ」や「ネットタッチャーズ」といった反則技に由来するチーム名も一部で使用されました。しかし、「トス」や「パス」のようなボールをつなぐ技術に関連する名称は用いられませんでした。

番組開始当初は、ルール説明にタレント（レツゴー三匹など）が登場してコント仕立てで行われた後、土居まさる氏が詳しく解説するという形式でしたが、数回の放送でコント部分はなくなり、以降は一貫して土居氏による説明が行われました。

終焉とその後

『オールスター紅白バレーボール大会』は1981年をもって終了しました。他のオールスターシリーズ、例えば『大運動会』や『水泳大会』、『夢の球宴』などがその後様々な形でリニューアルされたり、復活したりしたのに対し、バレーボール番組としては再び制作されることはありませんでした。一度だけ、『第23回オールスター紅白大運動会』（1985年放送）の中で競技の一つとして実施されたことはありますが、独立した番組としては復活していません。特に、現代のバレーボールで広く採用されている「ラリーポイント制」が導入されてからは、一度も行われていません。

また、『大運動会』や『水泳大会』が後年、フジテレビの回顧特番などで取り上げられる機会が多いのに対し、『オールスター紅白バレーボール大会』が話題に上ることは比較的少ない現状があります。

関連項目

火曜ワイドスペシャル
土曜グランドスペシャル
オールスター紅白大運動会
アイドル水泳大会
オールスター紅白水泳大会
オールスター寒中水泳大会
オールスター夢の球宴
オールスター雪の祭典
アタック・ザ・ワールドカップ

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