カサブランカに愛を

ゲーム『カサブランカに愛を 〜殺人者は時空を超えて』

『カサブランカに愛を 〜殺人者は時空を超えて』は、1986年9月にシンキングラビットが開発したコマンド入力型の推理アドベンチャーゲーム（AVG）で、ディスクミステリーシリーズの第3弾として発売されました。本作はPC用ゲームとして始まり、その後も3DOや携帯電話アプリに移植され、多くのファンを魅了し続けています。

ゲームの特徴

このゲームの特徴は、モノクロの映像と練り上げられたシナリオです。オリジナル版では、影の使い方や細部まで作り込まれたビジュアルによって、プレイヤーの没入感を高めています。背景音楽は存在しませんが、後にX68000版が登場し、フルカラーの画像とBGMが追加され、視覚的にも聴覚的にも楽しめる仕様になりました。また、オリジナル版の広告イラストは映画『カサブランカ』を意識したデザインであり、移植に際してタイトルが「時を超えた手紙」に変更されるなどの変更がありました。

ストーリー概要

物語は1945年6月、アメリカのシカゴにある新聞社デイリー・カサブランカの女性記者、ジェリー・ランドルフが主人公です。彼女の元には、長い間行方不明だった親友メイ・エルガーから日記が届きます。日記には、父親が進めている研究とそれを狙う軍部からの脅迫について書かれており、さらには彼女自身の身に危険が及ぶ可能性についても記されていました。

ジェリーと同僚のロイ・スティーブンスは、メイの家へ向かいますが、そこでエルガー博士が殺害されているのを発見します。現場には、博士が発明したタイムマシンが存在し、不可解な状況が続きます。出ていった形跡のない足跡や、穏やかな表情で絶命している博士の姿が、事件の謎を深める要素となります。ジェリーは、事件を解明するためにタイムトリップを決意し、1916年へと旅をします。

登場人物

• - エルガー博士: メイの父であり、タイムマシンを開発した科学者。
• - メイ・エルガー: ジェリーの親友で、本作の事件の発端となる存在。
• - ジェリー・ランドルフ: 主人公であり、事件を解決しようとする女性記者。
• - ロイ・スティーブンス: ジェリーの同僚で、捜査に協力する。
• - 車椅子の老婦人: 物語の重要なカギを握る人物。
• - レイノルズ: 謎深いキャラクターで、事件に関与している。
• - ケニー・ニコルス: その他のキャラクターたちと交錯する運命を持つ。

機種とリリース情報

• - オリジナル版

- 発売日: 1986年9月12日
- 対応機種: PC-8800シリーズ、PC-9801シリーズ、X1シリーズ、FM-7
- 定価: 7200円

• - 移植版

- 1988年: MSX2用
- 1989年: X68000用（この版ではフルカラーとBGMが追加）
- 1994年: 3DO、以後複数プラットフォームに展開

本作はその独自の世界観と魅力的なストーリー、キャラクターにより、リリースから数十年を経た今でも多くのプレイヤーに愛され続けています。

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